「1等賞目指してガンバッテ金!」金メダル男 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
1等賞目指してガンバッテ金!
秋田泉一。
1964年、長野県塩尻市生まれ。
記念すべき東京オリンピック開催とは正反対に、至ってごく普通の少年。
転機は小学生の時のかけっこ。
1等賞を獲り、その感覚が忘れられず、以来色んな事で1等賞を獲り、神童とまで呼ばれるほどに。
中学にて初の挫折。平凡…いや、平凡以下。
高校まで一つも1等賞を獲れないでいたが、歌番組のアイドルの歌に勇気付けられ、一人部活動を始め、再び脚光を浴びる。
上京。暫く自堕落な日々。
異端の劇団に入り、看板俳優に。
解散後、世界へ旅に。
途中、太平洋で遭難、漂流の末無人島に流れ着き、実に7ヶ月をそこで送る。
助けられ、帰国。すると、一躍有名人に。
TVにイベントに引っ張りだこになるも、人気はすぐ沈下。
そんな時、マネージャーを務めていた女性・頼子と結婚。実は彼女は…。
結婚後、夫婦で1等賞に挑戦。
40を過ぎて、子供が誕生。
子供の為に初めて就職。
仕事中のハプニングで注目を集めるが、束の間。
そして50を過ぎた時、またまた“1等賞”が…。
山あり谷あり波瀾万丈、1等賞を目指した一人の男の人生。
まるで映画のよう。
…あ、勿論、映画。
ウッチャンが自身の舞台を映画化した3本目となる監督作。
Hey!Say!JUMPの知念侑季と共に二人一役で主演も。
ベロンベロンの酔っ払い演技&漫才も披露する木村多江を始め、ちょい役にまで豪華な面子はウッチャンの人脈か。
ベタからシュールまで本職の芸人としての笑い、1960年代~現在までのカルチャー、時事ネタもたっぷり。
次いでに言うと、自身の経験(剣道部のエピソードはTVで言ってた)や身内ネタも。
“ウッチャン劇場”…と言ったらそれまで。
でも、この笑えて、意外にもホロリとして、悲哀もたっぷりなツボを抑えた作風は、TVで見かけるウッチャンの人柄そのもの。
これまで手掛けた作品もそうだが、見れば心地よいB級グルメ的な満足感こそ、ウッチャン作品の特色の無い特色。
残念ながら1等賞映画ではない。
でも、芸人監督映画の中でも、ウッチャン映画はどうしても好きなのだ。
親子の絆、友情、夫婦愛…いずれも普遍的なもの。
特に、1等賞目指して諦めない姿は、イッテQで挑戦した大回転と重なって、何だか不思議なくらい説得力があった。
個人的にウッチャン映画1等賞は「ボクたちの交換日記」なので、今回3.5が妥当なのだが、
グランプリの写真、ラストシーン、桑田佳祐の主題歌など良かった点が多々、またウッチャンが好きという贔屓もあって、今回も4にさせて頂きました。