「下らない情事」パーフェクト・ガイ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
下らない情事
マイケル・ダグラスが出演した一連のセクシュアル・サスペンス。『危険な情事』『氷の微笑』『ディスクロージャー』…。
改めて見れば下世話な話だが、スキャンダラスでセンセーショナルな衝撃と斬新さ、時代を先見したダグラスの卓越したプロデュース能力とエンタメ性もあり、非常に面白味あった。
本作は全米公開時、黒人版『危険な情事』なんて言われたそうだが、スタッフ/キャストのネームバリューやクオリティーも含め、ちゃんちゃら笑わせる。
結婚や出産の事で恋人と別れた30過ぎのリア。
ある日、年下で優しく魅力的な“パーフェクト・ガイ”のカーターと出会う。
両親も気に入り、結婚にも前向きで、新たな恋が始まった…と思ったが、
ガソリンスタンドで絡んできた男にカーターは暴行を振るう。
その異常さに恐ろしくなり、リアは別れを切り出すが…。
“パーフェクト・ガイ”と思った彼は、とんでもないストーカーサイコ野郎だった…!
別れを切り出してから異様に付きまとう。
身の危険を感じる。当初は非協力的だった警察だが、接近禁止令を出しても尚…。
元カレとヨリを戻す。シャワー室やベッドでの営みを、不法侵入でストーキング…! その模様を会社のPCにアップされ…。
近所の婦人の不審死、さらには元カレの事故死…。単なる偶然じゃない。
リアはカーターとケリを付ける…。
ストーカーの恐怖や男の異常さなどは恐ろしい。
“パーフェクト・ガイ”とは言え平凡な男がここまで出来る…?
カーターの本性。本当にヤベー奴だったが、唐突な設定の印象も受けた。
最後はケリ付け、失ったものはあまりにも大きい悲しさ滲ませるも、結局は女と男の痴情のもつれ。
先述の作品群には遠く及ばない、くだらなさしか残らないB級官能サスペンス…。