「あっさり、爽やか」ロング・トレイル! REXさんの映画レビュー(感想・評価)
あっさり、爽やか
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成功して半ば引退状態の紀行作家ビルが、かつての悪友カッツと4000キロ以上ものロング・トレイルに挑戦するロード・ムービー。
ビルはテレビ番組で嫌みを言われ、自分がアメリカの紀行本を書いていなかったことに気がつく。本を書くためではないが、自分が安穏と朽ちていくことに不満を覚え、トレイルに挑戦しようと思い立つ。少ない友人に片っ端から連絡を取っていくが、最後まで連絡しなかった悪友がカッツ。
不思議なもので、人間てその時代の関係性に戻っちゃうんですよね。
五ヶ月間一緒にいるうち、優等生然としたビルは少し粗野になっていくし、下品なことばかり言うカッツは、興味なかったビルの蘊蓄にも耳を傾けるようになる。
特にもの凄い大事件が起きるわけではないけれど、妙に爽やかな気分にさせてくれます。
還暦過ぎのおじいさん2人がひぃひぃ歩きながら、小さなアクシデントに四苦八苦しつつ、ささやかな充足感を得ていく。
挑戦することに歳は関係ないし、それは他人と比較できるものではない、という当たり前のことがさらっと描かれる。
2人の旅はあっさり中断してしまうけど、カッツがビルにこっそり送っていたたくさんの絵はがきの中、最後の一枚に「次は何かな?」と書いてあったし、ビルも胸襟を開いて出身地を明かしたし、今後も2人の友情が続いていくと信じたい。
なので、エンディングは中断したトレイルの続きにして欲しかった。
それにしても家の裏庭近くにあんなロング・トレイルがあるなんてね。アメリカは広すぎる。自分は登山をするので、アメリカの大自然を堪能させてもらいました。
余談ですが2人とも老けたなぁ。
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