「すみません,ダメでした。」四月は君の嘘 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
すみません,ダメでした。
そこまでとっちらかっていないので,一つの作品としてはまとまっていたように感じます。今をときめく広瀬すずさんも,山崎賢人くんも,いい演技をしていたと思います。本作の肝である演奏シーンでは,音楽ド素人の自分にはすばらしい演奏に聞こえ(見え?)ました。お二人のもともとの技量は知りませんが,役作りのために相当な練習をしたんだろうなと感じました。演奏が始まる直前は,劇場内でも物音ひとつ立たず,ポップコーンを噛む音さえはばかられる静寂で,観客の誰もが固唾をのんで二人の演奏を見守っていたと思います。
それなのに…。なぜか心に響いてこないんです。公生の心の奥の苦しみや闇,かをりの笑顔の裏に隠された悲しみや悔しさ,そういうモノトーンの部分が表現しきれていないから,音楽によって二人の世界が色付いていくように感じられなかったのかもしれません。映画の尺を考えればしかたないのかもしれません。あと,これは人それぞれですが,山崎賢人くんと広瀬すずさんが公生とかをりのイメージとはちょっと違ったのも,作品全体の印象を変えた原因のひとつでした。というわけで,アニメでは涙腺崩壊だったのに,本作はすみません,ダメでした。
でも,原作もアニメも見てないなら,それはそれで楽しめると思います。脇を固める,石井杏奈さんと中川大志くんもなかなかよかったと思います。
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