リトル・アクシデント 闇に埋もれた真実のレビュー・感想・評価
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よく練られたシナリオ
どう着地するつもりだろう、と思わせるよく練られたシナリオ。
まず、炭鉱事故と少年の死という二つの事件が起るわけだが、当初これの繋がりが見えない。なので、二つのストーリーを観ているようなつかみどころのない展開。
そこから残された者それぞれの後遺症あるいは罪悪感みたいなものを描いていく。さらに話しは分岐し複雑なものになっていく。。
こう言えば聞こえはいいが、決して良い評価ではない。難解であったり複雑な分、奥行きが感じられるが、果たしてこのストーリーどこへ着地できたのだろう。答えを求められる事、それが全てではないが暗部を広げられるだけ広げて収集つかない部分をこちらに投げられても正直困る。息子が行方不明、奥さん不倫って笑 あとねえ、弟、この程度の扱いならあの設定でシナリオにすんな、と思ってしまった。。
真実は1つ!
ある小さな田舎町で起きた 炭鉱事故を巡って、人と人との関わりや それらの葛藤を描いた作品。
炭鉱事故で1人生き残った上、身体に障害が残ってしまったエイモス(ボイド・ホルブルック)が、父親や町の人達から、町の一大産業でもある炭鉱を無くさないよう 圧力を掛けられ、本当の事故原因を黙ってなくてはいけない状況に追い込まれることは、あってはならないと思う。
この炭鉱の運営会社の重役は論外なので、ほぼ眼中になかったかな(笑)。天誅がくだるのみ…。
そして、地元高校生のオーウェン。
オーウェンは、この重役家族の一人息子が行方不明になったことに絡んでいたり、その息子に普段から虐められていたことや、ダウン症候群の弟の世話、父親の死の原因を生んだ炭鉱の仕事に 興味や恨みを持っていたと言う、複雑な役どころ。
やっぱり この複雑な環境に置かれているオーウェンに入り込んでしまい、観ていて身体に力が入ってしまうと言うか、楽にさせて上げたい気持ちで一杯だったかな。
重役の妻ダイアナ(エリザベス・バンクス)は、息子を探す一方 そのことを忘れてしまいたい時間があるんだと自分を正当化し、大切なはずの人を裏切るだけでなく、被害者を巻き込む辺り、自分的には理解し難いかなと…。正直、このくだりは要るのか?と思ったけど、ダイアナの終盤のクソ女ぶりが良いパスになって、エイモスのシュートがキマる…そんな流れを作りたかったのかなと。
オーウェンが、苦しい胸の内をエイモスに語り(実際にそのシーンは無かった)、エイモスも自分に正直になったラストは良かったかな。
地味に良作
闇に埋もれてなんかいねーじゃねーかっていうね。
邦題のセンスは大いに疑問が残るね。
炭鉱夫の彼は、一人生き残ってしまった、仲間の警告を無駄にしてしまったっていう罪悪感。
少年の彼は、もうそのまんま、ショッキングな事実を誤魔化してしまったっていう罪悪感。
それぞれの罪悪感と向き合いながら、もがいて、それと折り合いをつけていく物語。
けっこう地味なんだけど見終わってから振り返るとジワジワ良くって
特に少年が告白するに至る経緯とその演出は、すごく良かったと思う。
斬新とかじゃないのに、なんか心に残るっていうか。
あんまり高評価にできない理由は、ふたつの物語をつなぐ役の、ジェイティーの母親。
炭鉱夫との関係が短絡的すぎて、もうちょっと奥ゆかしくできなかったのかね、と。
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