「人の心の中に潜むババドック」ババドック 暗闇の魔物 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人の心の中に潜むババドック

2017年7月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

母子を襲う絵本の中の怪物の恐怖…。
シッチェス映画祭で高い評価を得たホラー。
母子を演じた二人の鬼気迫る演技、怪物“ババドック”のビジュアル、音も効果的。
が、本作、単なるホラーに留まらない見方があると思う。

夫に先立たれた時点で、母親の精神状態はすでに不安定だった。
息子がかなりの問題児。学校では度々問題を起こし、身内である母親の妹からも嫌われている。
息子の事は勿論愛しているが、手に負えない時も…。
そこに、息子が絵本の中のババドックが本当に居るとおかしな事を言い始める。それはエスカレート。
そして母親もババドックが見えるようになり…、
母親の精神は完全に壊れた。

息子に酷い言葉をぶつけるようになる。
クソガキ、クソでも食ってろ、夫じゃなくお前が死ねば良かった…。
さらには、息子を襲い始め…。

ババドックによって気が狂い…という事だが、シングルマザーの苦悩、本音、深い闇。
ババドックを通じて、それらやDVを具現化。

ババドック…
それは、人の心の中に潜む魔物。

近大