「16年32本目は最恐ホラーと各地で名高い皮を被った社会派教育映画。」ババドック 暗闇の魔物 Aさんの映画レビュー(感想・評価)
16年32本目は最恐ホラーと各地で名高い皮を被った社会派教育映画。
16年32本目は最恐ホラーと各地で名高い皮を被った社会派教育映画(だとわたしは勝手に思ってる)。
夫を事故で失いやんちゃな時期の息子とふたりで暮らすシングルマザーの主人公が育児ストレスを引き起こしていく。そのうち謎の飛び出す不気味な絵本を手に入れ、それに登場するモンスター「ババドック」に苛まれていくホラー。
その「ババドック」は果たして本当に存在する呪われたモンスターなのか、主人公を苛む育児ストレスによる妄想なのかは観た人次第な気がします。
取り憑かれたように「ババドック、ババドック」言いやがるめちゃくちゃやんちゃな可愛い息子を恨めしく思ってしまう母。果てには殺したいとまでの感情を抱き始めるも、根底に残るのは母の愛。ラストの表現も最初は「???」と思いましたが、上記のことを踏まえるとなかなかうまい演出だったように思います。
母と息子を襲うモンスター・ババドック、
母を助けようとする息子、息子を守ろうとする母。非常に強い親子愛に、ホラー観たさで観たわたしが涙しそうになりました。ぎゃー怖い!というよりは深く感動する作品だと思います(わたしが母っ子だからかな)。
育児ストレスのほかに夫を亡くしたショックからなかなか立ち直れないところから立ち上がる姿も描かれていて、最強母ちゃんというよりはリアルな姿の母親が描かれていたように感じました。
これを「めっちゃ怖い!」「最恐ホラーだ!」とだけで表現してしまうのは勿体無い。怖いもの観たさで観るモンではない、と言いたいです。一応ホラー映画なので評価としては間違っていると思うけど(笑)。
ちなみにこの監督が女性であるというのも個人的には評価ポイント。流石と思いました。
一風変わったホラーを味わいたいなら是非、観て欲しいです。
母と息子の怪演も本当に素晴らしい。ババドックよりその怪演のほうが怖かったくらい!