「リベンジハニー」女ガンマン 皆殺しのメロディ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
リベンジハニー
マカロニ・ウエスタンっぽいが、イギリス製西部劇。1971年の作品。
ある監督と作品に多大な影響を。
賞金首のクレメンス3兄弟に夫を殺され、自身も犯され、家を焼かれ…何もかも失ったハニー。女ガンマンとなり、復讐する…。
タランティーノの『キル・ビル』の元ネタの一つとして知られている。
見てたら『キル・ビル』だけじゃなく、
通りすがりの賞金稼ぎ・プライスと出会い、ガンマンとしてのイロハを教わる。敵を探す旅…。
『ジャンゴ 繋がれざる者』への影響も感じられた。
タランティーノのエンタメ精神を大いに刺激。
何と言ってもラクエル・ウェルチ。
裸体に毛布一枚という強風でも吹けばあわや…な刺激的な格好。
勿論彼女のセクシー魅力満載だが、銃もまともに撃てなかったヒロインが一端のガンマンになっていく美しさとカッコ良さこそ光る。
ロバート・カルプのカッコ良さと名助太刀、銃鍛冶クリストファー・リーや謎の男スティーヴン・ボイト、憎々しいアーネスト・ボーグナインら豪華な面子の個性的でアクの強いキャラ。
ツッコミ所はあり。
夫が殺されたというのに、プライスと何やらいい雰囲気…。が、そこまで発展せず、あくまで“バディ”。
クレメンス長男の凶剣に倒れるプライス。絶命するほどの致命傷?…と思うが、そうならなくちゃ話は盛り上がらない。
プライスの教えを胸に、たった一人で敵に立ち向かうハニー。ここからカッコ良さが増し増し。
シンプル・ザ・ベストな分かり易いストーリー、躍動感のある音楽、ツボを抑え、スカッと痛快な面白さ。
1960年代~1970年代、空前のマカロニ・ウエスタン・ブーム。
各国でウエスタン調のアクション映画を続々製作。それぞれ特色や工夫を凝らして。
その末期に現れた本作ほんのりエロスとリベンジ・アクションの女ガンマン!