「チープなB級スプラッター映画」ライチ☆光クラブ ルルさんの映画レビュー(感想・評価)
チープなB級スプラッター映画
原作未読。今からすると役者は豪華で俳優陣のビジュアルもいいけど、内容があまりにもお粗末すぎる…
初っ端から女教師が服を剥ぎ取られ(この女体晒しからチープ感がすごかった…)目を潰され臓物を散らしながら殺されるという、演出は安っぽいが内容や絵的に18禁レベルの血まみれシーンから始まり、光クラブという謎の軍服少年集団が謎の目的を掲げながら謎の拷問を繰り返し最後まで訳が分からないまま臓物撒き散らしながら終わる。
そもそもが原作既読ファンに向けた映画なのかもしれないけど、せめて背景の説明が欲しかった。あの荒廃した世界はまぁいいとして、ゼダはなぜああいう思想に囚われているのか、あのネバネバ梅干しの妖怪みたいなやつは何なのか、光クラブのメンバーはどうして集まったのか、主人公は正義感の強いまともな少年に見えるのになぜ今まで脅されているわけでもなく光クラブにいたのか、そもそもなぜ光クラブがゼダに乗っ取られているのか、もうなぜ全てがあんなことになってるのか、なぜ、なぜ…がそのうち回想で明らかにされるんだろうと思っていたら気づけば映画が終わっていた。特に主人公君の同期、背景、目的、最後なぜか覚醒して強くなった感で出てきたと思ったらあっさり殺されてしまい、彼の役割は何だったのか本当に謎だった。ストーリーラインも結局人の心をもちつつあるロボットと穢れなき美少女の叶わぬ恋…みたいなフランケンシュタインぽいありがちな内容にいつの間にかシフトしているし、低予算で共感性羞恥直撃の演出も相まって飛ばし飛ばし見てしまいました。
私みたいに「帝一の國」みたいな世界観が好きな人にはビジュアルや一見のテイストはきっと刺さるけど(役者も一部被ってるし)、全然違うので特にグロ耐性ない人は見ない方がいいです。
繰り返すようですが役者さんのビジュアルは中条あやみさん含めとても良かったですし、荒廃した世界で学ラン姿の美少年たちが退廃的な美を求め破滅に進んでゆく…という刺さる人には刺さりそうな漫画的な設定もよかったです。が、それ以外が辛すぎて個人的には見ていられなかったかな…という印象でした。役者さんも演技は頑張られていたと思いますが、そもそもの無理矢理感に足を引っ張られていて、よく演じきったな感が強いです。
余談ですが、なんとなくきっと原作は首風船の伊藤潤二さんみたいな画風なんだろうな…と思ってたら割とその通りで笑いました。舞台化もされているということできっと素敵な漫画になっているんだろうと思うので、いつかそちらも読んでみたいと思います。