「ほっこり。」バジュランギおじさんと、小さな迷子 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ほっこり。
レディースデイとは言え、平日昼間で客席はほぼ満員。
インドに独り置き去りになってしまった失語症のパキスタン人少女と出会った主人公パワンが、その故郷を求めて悪戦苦闘する物語。
もちろん我々観客は「親子の再会」と「少女との別れ」をクライマックスの目印に定めて観ていく訳だが、実際のクライマックスはむしろ微妙にソコを(いい意味で)外して来たな、という印象。
自らが信ずるものに従順であり続けようとする誠実さとその勇気。断絶されていたものが結びつきを取り戻し、叶わないと思っていた奇跡が起きる。
これみよがしのもったいぶった演出、ご都合主義の展開(ちょっと目を離したスキにいなくなる…てシーン何回あった?)も気にならなくはないが、それでも主人公たちのひたむきな態度に、最後まで清々しい気持ちで見守っていられた。
歴史や政治、宗教や民族による文化の違いが分断に繋がっている状況が、我々にもとても分かりやすく表現されていて、インド映画初心者でも問題ないのではないだろうか。
名物の歌とダンスも、パワンの登場シーンはビックリさせられるが、総じて上手く挿入されている。
私には「絶賛」「号泣」「★5つ」とまではならなかったものの、素直で幸せな気持ちになれる映画。
上映館数も回数も期間もおそらく残り少ないので、興味のある方はお早目に。
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