「カメレオン俳優」俳優 亀岡拓次 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
カメレオン俳優
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地味な脇役俳優さんが主人公のヒューマン・コメデイなのですがなんとも不思議な構成、劇中劇や妄想をコラージュした映画です。
様々な地方へロケに出るし、結局振られるところはもの静かな寅さん映画のようでもあります。主人公のキャラでひっぱる映画なのでどういう人物にするかが鍵でしょう、目立ってはいけない脇役稼業なので控えめですが、不器用と言う訳でもなくなんでもこなすプロフェッショナル、その点で安田顕さんが実にいい味出していましたね。オカマ役の「小川町セレナーデ(2014)」の安田さんも怪演でしたが、まさに「カメレオン俳優」の異名通りの本領発揮でした。
2時間越えの長尺ですが退屈させない映画好きや演劇ファンをくすぐるエピソードは原作の戌井昭人さんの経験が滲みでています。ただ、犬のウンチやゲロ吐きやおもらしはコメディセンスとしてはあまりにも子供じみていて残念、カットしてもよかったでしょう。
役者がテーマだと俳優さんも気合が入るのかもしれませんね、舞台の大御所は杉村春子さんがモデルでしょうか、三田さんの鬼気迫る妖艶ぶりには女優魂を感じましたし、如何にもと言う老監督役の山崎努さんなど大乗り気でしたね。
ところどころの意外性の演出も巧みですがスナックでのカラオケシーン、素人さんに見えるのに異様に歌が上手いのには痺れました。
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