「【”人間の思考の原点は水”チリの先住民、パタゴニアの民でもある水のノマドと言われた人々の、悲劇的な歴史を抑制したトーンで描くドキュメンタリー作品。】」真珠のボタン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人間の思考の原点は水”チリの先住民、パタゴニアの民でもある水のノマドと言われた人々の、悲劇的な歴史を抑制したトーンで描くドキュメンタリー作品。】
ー 太平洋を臨む全長4300kmに及ぶ国土を持つ、南米の国・チリ。
その西パタゴニアの海底でボタンが発見された。
海の底から且つて、ピノチェト政権によって政治犯として殺された人々や、祖国を奪われた先住民が、レールを身体に括りつけられ、海に投棄されていた。
そして、その寂びた鉄のレールに付着したボタンが見つかったのだ。
それだけのことからチリがどのような歴史を重ねてきたかが分かっていく。
その展開と内容に知的興奮と、それ以上の悲しみと戦慄を覚える。ー
◆感想
・ピノチェト政権の蛮行は、チリに何の恩恵も齎していない。
・先住民族を虐殺した白人の血が、ピノチェトにも流れている。故に、あのような残虐な行為が出来たのだ。
・先住民族は、海、水を大切にし、海と共に暮らして来た事が語られる。
・だが、後にやって来た人々は縦に長いチリの進むべき道を間違えたのだ。
<”人間の思考の原点は水”ジェミー・ボタンという人物の数奇な人生と共に、今作は海底で発見されたボタンの背景にある歴史などを追いつつ、ピノチェト政権によって政治犯として殺された人々や、祖国を奪われた先住民の姿をつまびらかにしていく。
現在、チリは経済面で停滞状況にある。その理由はこの映画を見れば、良く分かるのである。>
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