「親しみやすさ満点!“隣人”感あふれる新生スパイダーマン」スパイダーマン ホームカミング アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
親しみやすさ満点!“隣人”感あふれる新生スパイダーマン
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『スパイダーマン:ホームカミング』は、トム・ホランド演じる新しいピーター・パーカーが、「ヒーロー」と「普通の高校生」の狭間で揺れ動く青春ストーリーとして秀逸な一作です。
トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンとは一線を画し、本作はMCUらしい軽快なテンポと等身大の悩みを全面に押し出しています。トニー・スターク(アイアンマン)が父親代わりのように登場し、師弟関係を築いていく構図は微笑ましく、成長物語としても王道かつ納得の展開。
アクションは街中を縦横無尽に飛び回るスパイダーマンらしさ満点で、低めの目線で描かれる戦闘は、従来のヒーロー映画と違い、“超人じゃない若者”の視点をしっかり保っています。
また、敵役のヴァルチャー=エイドリアン・トゥームス(演:マイケル・キートン)も印象的。単なる悪役ではなく、社会の格差や不満を背景にしたリアルな動機があり、正義とは何かを問いかけてくれます。
一方で、スパイダーマン特有の“喪失のドラマ”(例:ベンおじさん)を省略したことで、感情的な深みが少し薄くなった印象も否めません。その分テンポはいいのですが、旧作ファンにとってはやや物足りなさを感じるかもしれません。
総評としては4.0。 MCUに溶け込みながらも、しっかり“青春映画”として独立した個性を持つ快作。新しいスパイダーマンとして、軽やかな第一歩を踏み出した記念すべき作品です。
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