「パーカー少年の葛藤に涙。」スパイダーマン ホームカミング 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
パーカー少年の葛藤に涙。
「スパイダーマン:ホームカミング」、初日に観て参りました。さすがのマーベル最新作で、劇場は老若男女で満席でした。今作に関して結論から申しますと、楽しすぎました。
トゥームスの背景を一気に語りあげる冒頭からのマーベルロゴ。このマーベルロゴはDr.ストレンジから新調されたものだけど、今回はスパイダーマンのテーマ曲とのコラボ!これは泣くほど上がったし、なにより本当に嬉しかった。やっぱりマーベルは気が利いてる。
ストーリーも新鮮でした。アベンジャーズに憧れるピーターだが、シビルウォー以降は空回りの連続。そこから人としてもヒーローとしても成長する姿が微笑ましい。ティーンエイジャーあるある的なネタとして、ネクタイの締め方をYOUTUBEで見るのも分かるなぁ。
中盤くらいに、ホームカミングの前にリズの家の玄関が開くと、そこにはトゥームスが…この展開にはビックリしたけど、そこから映画の雰囲気がシリアス路線にガラッと変わる。そこで素晴らしいのがトムホランドの演技。家に上がってから出るまでの息を呑む緊張感がこの映画の最大のハイライト。ピーターの葛藤を思うと涙出てくる場面です。
トゥームスとリズが親子という展開含め、トゥームスは嫌いになれない。彼は仲間思いだし、家族思い。いいやつだね。
あとはですね、MCU全体のファンへの目配せです。ハッピーが飛行機に荷物を積むときに出てくる3つのワード、「ハルクバスター」「キャプテンの盾の試作品」「ソーのベルト」。今後の展開を暗示しているのか?嬉しかったなー。そして、ペッパー!もうお腹いっぱいなのにペッパーポッツまで最後にブチ込まれたら笑うしかないですね。ありがとうございます。ジェニファーコネリーもありがとうございました、ホントに。ただ、時系列の矛盾があったと思うのですが…。ニューヨーク決戦の8年後は2020年では…?あとは本作の終盤で、あたかも北部のアベンジャーズ施設が完成したばかりのような流れだった。アベンジャーズ施設が完成したのはエイジウルトロンの後では…?私の知識不足?見逃し?裏があることを期待します!
笑える点も多いです。劇場で1番笑いが起こっていた場面は、尋問モードの場面です。僕も、ここのコミカルさは思わず声をあげて笑ってしまった。尋問モード含め、スパイダースーツの機能は今後に期待ですね。おそらく全く使いこなせていないでしょうから。
問題をあげるなら、ピーターが”親愛なる隣人”でいることを選択するラストです。この理由が掴みきれなかった。あれだけアベンジャーズやスーパーヒーローに憧れていたのに、とくに明確な理由が提示されません。どうでしたか?
あとは僕が見逃したのかもしれませんが、CMであったスパイダーマンとアイアンマンが一緒に飛ぶシーンがなかった事。あれは、あのシーンを楽しみにしている人からしたら詐欺だと思います。最近よくある事ですけど。
あとはアクションシーンも真新しさがないので、ヴァルチャーがかっこいいだけで特に上がらなかったです。
総じて、面白すぎます。ストーリーはもちろん素晴らしいけど、何と言ってもファンを喜ばせようとする姿勢が嬉しいです。これだからMCUはやめられません!個人的ベストスパイダーマンだった「スパイダーマン2」を超えました。
あと、ファルコンはヴァルチャーの翼を譲り受けるべきだと思いました。笑