「これぞ青春アメコミムービー!」スパイダーマン ホームカミング いも男爵さんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ青春アメコミムービー!
試写会にて吹き替え版を公開初日にMX4Dで見てきました。
今作のピーターは1高校生ということで、アベンジャーズ入りを目指して奮闘する一方、学業や恋愛にも目移りしてしまうなど、ヒーロー業と私生活への両立に四苦八苦する姿が、瑞々しく生き生きと描写されて、いい意味で青春しているなと感じました。
主演のトム・ホランドも歴代ピーター・パーカーの中で一番合っていると思いましたね。
そんな本作の一番良い点は、『シビル・ウォー』にて紹介が済んでいる分スパイダーマンの活躍が多いことです。
序盤から終盤まで満遍なくあって、ヴィランであるバルチャーとの対決が四ラウンドあるのもいいですね(MCU作品のシリーズ第一弾はだいたい終盤だけなので)。
また、解除されたハイテク機能によってパワーアップしたり(特にアイアンマンを彷彿とさせるAIとのやりとりは最高)、ホームメイドスーツが予想もつかない使われ方する辺りも面白かったです。
ネッド、メイおばさん、そして久々登場のハッピー・ホーガンなどサブキャラも無駄に多くなく、それぞれに見せ場がありまして、特にネッドは見終わった後は印象が変わること間違いなしです。
ヴィランであるバルチャーは、マイケル・キートンの怪演がとくかく素晴らしく、ピーターやトニーさえ霞むほどの存在感を見せ付けてくれました。それにしても元バットマンがまさかMCUでヴィランになるとは、当時の誰が予想できたでしょうか?
そんな本作の唯一にして最大の欠点はアイアンマンとの共闘シーンが無かったことですね。共演はしていますが共闘シーンは実質的には無く、予告で使われている空を舞うシーンも本編には無くて、HPやチラシなどでは「共闘する」書かれていたわけですが、この点だけは完全に宣伝詐欺ですね。
まあ、『シビル・ウォー』でも共闘はしていますし、来年公開の『インフィニティ・ウォー』でもするから今作ではお預けといったところだったのでしょうか?
吹き替えに関しては、トニー役の藤原さんが復帰してくれたお陰で、トニーの声が変わらずに済んだのが何よりも嬉しかったですね。
また、毎度物議を呼ぶ吹き替えキャストもタレントが一切関わっていないのもありがたかったです。これ以降の作品もこうだとありがたいのですが(『インフィニティ・ウォー』では何人か続投が居るので無理ですが)。
久々のスパイダーマン作品としては十分おもしろいので、気になる方は見に行くことをお勧めします。