「一掃すべき敵?」ドローン・オブ・ウォー ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
一掃すべき敵?
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タイトルに引っ張られると退屈してしまうかもしれない。 -『ロード・オブ・ウォー』より地味だ- それくらい地味な映画である。原題の『Good Kill』が皮肉のスパイスが効いていた。
ニコル監督はひとつのアイディアを上手く転がして面白さをつくる監督だが、今回は現実そのものを題材にしているために、いつもの手法は使わずにしてしまったからだろう。それでも見どころはある。
それは倒すべき敵がはっきりしないところだ。
もちろん情報としての敵は登場人物そして観客も知っているし、見逃すとどうなるのかも理屈としては分かってはいる。しかし、具体的な描写はないために「ピン」とはこない不気味さをだしている。
それをさらに加速させるのは電話機のCIAからの「それ本当に意味があるのか?」攻撃だろう。
この映画ではっきりと敵と分かるのはたまにでてくるDV男だけなのだ。だから、ラストで少しだけ「ホッ」とする。そして「ゾッ」とする。そこに “ヒューマニズム”を感じてしまったことに。
あと、アメリカの場面で空撮を多様しているのは彼らも自分達も “同じ人間” である。という映画からのメッセージだ
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