「Learning to Drive (ついでに人生も)」しあわせへのまわり道 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
Learning to Drive (ついでに人生も)
シンプルな原題がとても良い小品です。
京都では9/11で上映終了らしいです。
早すぎるわー。
シネコンでもこういう単館系をやってくれるのはありがたいけど、2週間は短すぎ!そんなにみじかいならさぁ、もっと予定立て易いようにさぁ、一ヶ月分くらい上映スケジュール決めようよ…!
時間が合わなくて困るんよねー。
と、まずは愚痴から失礼しました。
ウェンディは夫に捨てられます。かわいそうだけど、多少自業自得なのか?
夫に頼りきっていた運転ができるように、しぶしぶ車の免許を取ろうとします。
ダルワーンはインドから政治亡命しているシーク教徒です。シーク教徒はインド系でイスラム系とは無関係なのに、ターバンとヒゲのせいかアラブ系とか言われたり、オサマ(ビンラディンのことか?)とか罵られたりすることもあるんですね。
ダルワーンはちゃんと市民権持ってるけど甥やその他の同胞には不法滞在も多いみたいです。がさ入れされて連行されたりしてました。せつない。
そして故郷の妹の勧める女性と一度も会わずに結婚することになります。
異文化のエッセンスのさじ加減がいいなと思いました。ちょっとだけど風味のある塩梅で差し込まれていてとても好ましい描き方です。
ウェンディとダルワーンのプライベートと、ダルワーン先生に生徒ウェンディが運転を習う場面が交互に進んでいくシンプルな構成です。
ウェンディと妹の率直な下ネタ、なかなかいいです。
若くない人の閨の事柄に興味津々ですので、楽しかったです。
銀行員さんの喘ぎ方が下品で笑えます。
ダルワーンは大学教員だったのに、投獄されて亡命したようです。ターバンとヒゲを維持すると、仕事が選びにくいようでタクシードライバー兼運転指導員をしているようです。
シーク教徒がインドで迫害されてたなんて知りませんでした。ヒンズー教徒といいバランスで共存してるとばかり。私は無知ですね。
車校に行かずにいきなり公道走るんですね、アメリカ…スパルタ過ぎるわ。怖いったらありゃしない。
有責配偶者から申し入れた離婚なのに、がっちり財産分与されちゃうんですね…なんかそれが切なかった。
ジャスリーンとの噛み合わない新婚生活のもやもやも、双方の気持ちがわからなくもない。
そら出かけっぱなしの夫にいい気しませんよ。そんで教養ないとかもっと街に出ろとか言われてもねぇ。
まぁテレビで覚えたのがスペイン語なのは私にもわかっちゃったから、んー、あんまりアレかもだけど。
でも友達もできたみたいだし(生理用ナプキンやったらそら自分で外に出なあかんわ、ないす説得力)、最後にはダルワーンが少し歩み寄ってくれたし、これからたのしくなるといいね。
ウェンディとダルワーンは、なんだか徐々に気が合いました。ダルワーンは仕事以外でも会いたいといいました。でも、ウェンディは誠実な人として生きて欲しいと言って2人は別れました。
少しせつないけれど、大人の誠実な選択に拍手を心の中で送りました。
運転指導のポエムも良かったです。
元は田舎者なので運転免許は持っていますが、かれこれ4年はペーパードライバー。
久しぶりに運転したくなりましたが、できるんだろうか…
わりと得意だったんだけどなぁ…