「映画オタクには全く縁のないヒーロー。本作を見ておっさんはこう思った。」ワンダーウーマン しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画オタクには全く縁のないヒーロー。本作を見ておっさんはこう思った。
今更ながら、
「ワンダーウーマン」
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日本での期待に大幅に下回る興行成績で、結果「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と同じような位置に収まるようだ。
まあ、そうだろうな。
しょせん映画オタクの観る映画。世界興行はあくまで旬の勢い。日本は邦高洋低の興行スタイルが続く限り、劇場の箱のスケジュール、買い付けのタイミング等に振り回される。
それはさておき、ライバル、マーヴェル社長も本作を褒めたという。
それはそうだ。
ヒーロー映画の飽和状態から抜け出せないのはマーヴェルも同様。ライバルだろうが、ジャンルを共に盛り上げないといけない。「マイティ・ソー バトルロイヤル」(この邦画タイトルは日本の興行のための苦肉の策だ。)、「ジャスティス・リーグ」。以前ほど盛り上がらないのは、オタクのハートの中にも確かにあるはずだ。
「キャプテン・アメリカ シビルウォー」のヒーローじゃれ合いで、ほとんど「完結」したと思っている人も結構いるのではないかと思っている。(飽きた、という人も当然いる)
だが本作、ヒーローものの範疇から外れて、映画として観る場合、結果これを女性映画という観方で観た人は皆無だろうし、映画の出来もひどいものだ。
1)ヘンクツ家族より王子様。
お姫様が意外な正体。アマゾネス族のくせして、その正体を知っているのに、覚醒させない。覚醒すると、ラスボスに見つかるらしい。どっちみち、対峙するんだから、そんなまどろっこしい設定いらない。
オンナだらけの島に空から王子様。それだけでいい。
島を出て行った理由は、ボス退治というより、王子様と本で読んだことをしたいだけ、が裏設定。
2)戦争との絡みがどうのこうのより、王子様。
「ボスを倒せば、世界は平和になるから、私行くわ」と生き勇んで戦場へ。だが、そのボスが死んでも、状況は変わらない。「なんで?人間はアホなの?」と悩んでると、本当のボス登場。ハリポタを見てないおっさんはなんて地味なラスボスと思ったが、王子様命を賭して危機回避。お姫様覚醒。ラスボス退治。ハッピーエンド。やっぱりラスボス倒すことで、世界は危機を回避した、という。
結局、人間がアホだろうが、関係ないらしい。
ま、すぐに第二次大戦が勃発するんだけどな。
3)アクション
ザック・スナイダーの流儀そのまんまを受けつぎ、やってることは「エンジェル・ウォーズ」。おまけにキレもなく、ラストバトルは暗いばっかり。
4)演出
借りものばかりのハリボテなアクションシーンがそんな感じなら、演出もとろ臭い。脚本もガタガタ。ワンダーウーマンのパワーバランスもめちゃくちゃ。
とにかく「知性」がまるで感じられない。
5)総じて
ワンダーウーマンを結果ヒーローに仕立て上げたのは、イケメン王子様であり、愛の力である。その愛は、一夜の営みで培われたものである。
おいおい、毎日映画レビューを書いているような君たち映画オタクには全く縁のない存在じゃないか。
どこをどう見たら、この映画を見て女性の存在意義とかバカなことを言えるのだろうか。
自虐にもほどがある。