「重厚な語り口と筋書きが映画の余韻を高めてくれる」ワンダーウーマン ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚な語り口と筋書きが映画の余韻を高めてくれる
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まずもって、ダイアナが一枚の写真を見つめながら100年を回想していく語り口に心を奪われた。
そこから予感できることは二つ。劇中では彼らがこの写真撮影のために整列する一瞬が描かれるだろうし、本作の終わりでもこの写真を通じて回想から覚めゆく場面が描かれるだろう。こういった構成上の伏線が道しるべとなり、作品全体が抜群の安定感で重厚に包み込まれているように思えるのだ。
これほど卓越した構成ゆえにヒロインがヨーロッパの激戦地を縦横無尽に駆け巡っても我々はどんと構えてこれらを見守ることができるし、様々なテーマ性、メッセージ性をしっかりと噛みしめ、ダイアナらと同じ目線で冒険し、成長していくことも可能だ。
毒ガス博士の存在感も強烈だが、ダイアナの底知れぬパワフルさにも気分が高揚した。かつてこれほど快活かつ丹念に描かれたヒーロー映画があっただろうか。全てを統率したパティ・ジェンキンスに敬意を表したい。
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