劇場公開日 2015年10月24日

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「ドーン・オブ・ザ・exガールフレンド」ゾンビ・ガール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ドーン・オブ・ザ・exガールフレンド

2022年3月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

理想の恋人と思ったら、いまいち趣味や価値観が合わず、おまけに束縛が強い。
別れようにもズルズルと…。
そんな恋人と“ずっと”一緒になる事になったら…?
死んでもゾンビとなって、愛を迫ってくる。
ある意味、これ以上ない恐怖…!

死んだ恋人がゾンビになって蘇って…という題材は前にもあったが(『ライフ・アフター・ベス』だったっけ? もう内容忘れたけど…)、こちらはよりドタバタおバカ感が強い。
それにプラスして、ラブコメディでもある。
…いや、正確に言うと、生者と死者のブラックな痴話喧嘩コメディ。

ホラーおたくの青年マックスと恋人のイヴリン。
傍目にはラブラブカップルだが、イヴリンはエコおたくでマックスの趣味に興味ナシ。ビミョーに合わない…。
同棲してる部屋の模様替えと、レアなホラーのポスターを勝手に捨てちゃったり、喧嘩も度々。
“兄弟”トラヴィスに相談して、別れを決意。
彼女を呼び出すも、目の前でバスに跳ねられて死亡…。
自分のせい…と、さすがにショックのマックス。
が、以前出会ったオリヴィアと再会。彼女もホラー好きで趣味が合う。
自然と相思相愛になって、元カノの事を踏ん切り付いた…と思った矢先!
墓から這い出て還ってきた元カノゾンビ!
さてさて、何故元カノが生き返ったかと言うと…

マックスの働くホラーショップに届けられた奇妙な人形。
それは“悪魔のジーニー”というもので、どんな願いも叶えるという。
イヴリンがこの人形に「マックスとずっと一緒に」と願い。
その願い通りになった!…と言っても、嬉し喜びしてるのはゾンビイヴリンだけ。
マックスにとってはショッキング…。
(この悪魔の人形、重要なキーアイテムかと思ったら、マックスが誤って壊しちゃって、早い内に退場。何だったの…??)

おかしいのは、イヴリンはちゃんと自分が“ゾンビ”である事を分かっている。
その上で、マックスにも死んで貰って、ゾンビ・カップルとして、ずっと一緒。
死ぬまで一緒…ではなく、死んでからも一緒。
お、重い…。

イヴリンが“生きてる”限り、新たな明日はない。
さらにキツくなった束縛や気持ち悪いキスは勘弁!
またまたトラヴィスに相談して、死者のイヴリンを亡き者に…。
途端に躊躇するマックス。
そうこうしている内に、オリヴィアとの関係がバレ、マックスに代わってイヴリンを殺そうとしたトラヴィスが突然“食意”に目覚めたイヴリンに喰い殺され…。
遂にイヴリンの魔の手がオリヴィアに…!
狂暴化し、嫉妬まで絡めた元カノゾンビの暴走は止まらない!

グロさもあるけど、それよりドロドロなのは三角関係。
ゾンビ・ホラーを絡めて、過激に滑稽に。
ユルくは笑えるけど、ホラー的な怖さはない。“ある意味”の怖さはあるけど。
ベラ・ルゴシや『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』など、ホラー映画やゾンビ映画ネタ。
故アントン・イェルチンの快演。アレクサンドラ・ダダリオがキュート。
でもやはり、元カノゾンビのアシュリー・グリーンが強烈。
監督はジョー・ダンテ。彼らしい悪ノリは出てるけど…、まあまあかな。久々にジョー・ダンテの作品を見たのに、これ…?って感じもなきにしもあらず。
ズバリ、監督がジョー・ダンテじゃなかったら完全スルーしてたかもしれないB級。

つまらなくはなく気軽に見れるけど、特別何も残らない。
とりあえず、元カノがゾンビにならぬよう気を付けましょう。

近大