それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさとのレビュー・感想・評価
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私が難民支援団体のボランティアをやっている理由
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私が見た、おすすめしたい難民映画「それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~」
この映画の主人公は、サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していた当時19歳の青年バセット。「ああ、こいつ、いいヤツなんだな」と言うことが、ひと目で分かる好青年です。
2011年に始まったシリアの民主化運動は、最初はとても平和で希望に満ちたものでした。運動のリーダーとなったバセットの表情も光り輝いていました。
でも、それが徐々に変わっていく。
町中を戦車が走り回り、道路を封鎖するようになる。
とうとう犠牲者が出て、市民の側も対抗上、抵抗組織を作って武装する。ふつうの市民が銃のあつかいを覚えるのに、たった3ヶ月しかかからなかったと言うのもショックでした。バセットの表情もすっかり変わってしまいます。
もうこうなったら、私には言うべき言葉がありません。
現に殺し合いをやっている人たちの、そのうち一方に向かって「戦いをやめろ。殺すな。相手を信じて銃を置け」と言うのは、「自分を守る権利を放棄しろ」と言うのと同じです。そもそも相手のことが信じられないから、こんなことになってしまったのですから。
この戦争機械を止めることはできるのだろうかと、いささか絶望的な気持ちになります。
同時に、犠牲になった市民を支援するのは正しいと確信しました。人道は政治にも戦争にも勝る。そう思えばこそ、微力ながら難民支援のお手伝いをしているのですから。
「それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~」2013年、タラール・デルキ監督、シリア
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