愛を複製する女のレビュー・感想・評価
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自然界に全く同じモノはない
DNA鑑定で100%同じになることはないそうです。愛するトミーの遺伝子を自分の身体を使って産んだレベッカ。事故から日数が経ってないこともあり、そこまで冷静に判断することは出来なかったのだろうけど、同じように9歳の当時に戻ることは不可能。母親として暮らしていても、年齢差からしても母親と息子。「クローン人間は臭い」とか、色んな味付けはあるものの、倫理問題を通り越して本来の「愛」について語っている。
科学が発達すればするほど本来の人間関係が希薄になる(と思う)。恐竜のおもちゃ(?)を使って「生」とは一体何なんだ?などと考えさせてくれるエピソードもあったり、レベッカは処女のまま懐妊したんじゃないかと思わせたり、一つ一つの会話をとってみても奥深いところがあったりする。
エゴによって愛を求めても、結局は追体験して虚しさだけが残るという戒め。ストーリー的には面白みはないのだけど、トミーが環境保護団体に参加していてゲリラ的に健康センターをぶっ壊すといったシーンを観たかったなぁ。海辺の風景はとても美しいし、ゴキブリという不気味さとの対比も面白かっただけにちょっとだけ残念。
ラストからの冒頭…
prime videoにて字幕版鑑賞
お話は静かに淡々と進むけど、引き込まれてしまう内容で飽きずに観れました。
クローン人間が合法化(?)されているけど、保守的な人々には受け入れられていない様子。
冒頭シーンはラストから繋がるので、見返すとなるほど!と意味がわかって納得出来ます。
しかし主人公、お仕事は何してるんだろ?とか気になってしまいました(笑)
愛は複製出来るのか
幼い頃に出会い惹かれ合い、大人になって再会したレベッカとトミー。
幸せも束の間、トミーは不慮の事故で死んでしまう…。
愛の喪失を描くと思いきや、驚きの展開へ。
レベッカは再びトミーに会いたい一心で、トミーのクローンを自ら身籠り、出産する…。
生まれたクローン・トミーにとって、レベッカは母。
レベッカもクローン・トミーを我が子として愛を注ぎ、育てる…のだが、彼女の本当の目的は再び彼と男女として愛し合う事。
だからどんなに仲の良い母子のように描かれても、空虚に映る。
成長したクローン・トミーはあの頃と生き写しに。
待ち望んでいた時だったが、彼に恋人が出来…。
姿は同じだとしても、心まで同じになるとは限らない。
クローンとは言え、一人の別個体の人間として誕生する訳で、彼は彼で愛する人が出来るのは自然な感情。
生まれた時から“母”であるレベッカを“女性”として意識する事はまず無いと言っていい。
クローン・トミーは自分の出生の秘密を知る。
自分は何者か。
自分は何の為に生まれたのか。
母として愛していたこの女性は誰なのか。
またレベッカにとっても、これが望んでいた愛の復元だったのか。
海辺の町を舞台にした寒々とした映像、静かな語り口の中に、淡々と描いていく。
最近セクシー悪女がすっかりイメージ付いたエヴァ・グリーンの、苦渋の美しさと抑えた演技が光る。
ちょっと分からなかったのは、時間の流れ。
トミーは目に見えて成長しているが、クローンだから通常より速い成長なのか、普通の成長か。
後者だとしたらエヴァの見た目がほとんど変わらないのは…??
静かな映画
寝そうなくらい静かで、音楽よりも自然の音を活かしている映像でした。
寝そうではあるけれど、話の内容に引き込まれるので寝ずにいられました。
物悲しい空気が常に流れています。
2人の関係性の最後が、少し意外でした。
動く恐竜のおもちゃが可愛かったです。
このエンドロールで眠ると心地よさそうです。
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