「【静かなるトーンで描いたドキュメンタリータッチの強烈な反戦映画。如何なる事があっても、若者が戦地で死す政策を行う国になってはならない。】」TAKING CHANCE 戦場のおくりびと NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【静かなるトーンで描いたドキュメンタリータッチの強烈な反戦映画。如何なる事があっても、若者が戦地で死す政策を行う国になってはならない。】
― 今作はイラク戦争で犠牲になったチャンス一等兵を、敬意をもってケヴィン・ベーコン演じるマイケル中佐が故郷に送る姿を描いている。
だが、ご存じの通りイラク戦争はブッシュ大統領による米国がフセイン打倒を狙いとした戦争である。
この作品の哀しさは、自国の誤った戦力により犠牲になった若者への哀悼の念が、ひしひしと感じられる点である。-
■私は、日本の憲法9条改正に対し、強烈に反対している者である。
国会議員の右翼思想に染まった人たちや、”美しい日本”などと宣っている”日本会議”の面々は、有事の際に本当に自分の親族や息子を戦地に赴かせる気概があるのだろうかと想うのである。
有事の際に備える前に、外交で最悪の事態を回避する可能性はあるだろうと思うのである。
少し脱線した・・。
◆感想
・今作は国策により、若き命を戦場で散らしたチャンス一等兵を、ケヴィン・ベーコン演じるマイケル中佐が尊崇の意を持って故郷に送り届ける姿が描かれている。
彼はチャンス一等兵の遺骸が収められた棺の脇で、シュラフで寝るし、米国民たちが若き殉死者に対し、礼を持って接する姿がキチンと描かれている。
<故に、国策の誤りにより若き命を散らしたチャンス一等兵の姿が、哀しみを持って描かれている事に深い哀しみと疑念を抱くのである。
マイケル中佐は、何故に一線から外れ、内勤になったのか・・。
今作を見ると、戦争ありきの国にしてはいけないと強く思う。
自分の息子を、戦場で命を失わせる国になってはいけないと強く強く思う。
日本は、第一次及び、第二次世界大戦で、その苦渋を味わって来ているのに、何故に毎年膨大な軍事予算が組まれているのであろう。
今や世界各国では、何百回も地球が壊滅するだけの原爆が保有されているのは、周知の事実である。
故に、今作は、静なトーンで描かれた反戦映画の逸品であると思うのである。>