「凡庸極まりない邦題が残念。全編ペルシャ語で綴られるホラーというホラーというジャンルに囚われない奔放な作品」ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
凡庸極まりない邦題が残念。全編ペルシャ語で綴られるホラーというホラーというジャンルに囚われない奔放な作品
この凡庸極まりない邦題からは全く想像がつかない、ホラーというジャンルには収まりきらない独特な雰囲気を持った小品。ヤク中の父の面倒を見ながら暮らす孤独な青年アラシュが深夜に出会った風変わりな女の子と絶妙に不器用な仕草で少しずつ心を通わせていく様を淡々と見つめる映画。全編ペルシャ語で綴られる陰影の深いモノクロ作品で、作品中に使われる楽曲のチョイスまでもが個性的でいつまでも余韻を味わっていたくなる、ジム・ジャームッシュやクエンティン・タランティーノの初期作品群のように個性的な愛おしい作品でした。
しかし、小生の生涯ベストワン映画である『ぼくのエリ』もそうですが、吸血鬼モノの邦題ネーミングセンスが今ものすごく危うい気がしてしょうがないです。邦題もまた映画史に残るものだということを認識して慎重に選んでもらいたいものです。
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