映画 ハイ☆スピード！ Free! Starting Daysのレビュー・感想・評価

遅れて2回視聴しました。もちろん特典目当てです。
評価が良い、との事でしたのでそれなりに期待して見に行きましたが、正直何点か理解不能なところがたくさんありました。評価の割には期待ハズレ、な感じでしょうか。

少年達の悩むポイントはリアリティがあり良かったです。特に郁弥と旭は、人間らしい悩みで、実際にあり得そうな悩みに、解決方法も流れもとても自然で良かったです。

そんな良い点があったにもかかわらず、真琴の悩みは、悩みはともかく行動が非常に意味がよくわかりませんでした。
遙に『真琴は真琴だろ！』と言われた後、何故彼は親に言わず、いきなり鍵が閉められてる筈の夜のSCに入り込んだのでしょうか？どうして服を着たまま泳いだのでしょうか？服を着たままあんなに優雅に泳げる筈もないですよね。

リアリティがありふれてる青春アニメだからこそ、そこもリアリティを追及してもらいたかったです。

水泳が好き、遙も好き、一緒に泳ぎたい、結論は悪くないですが、真琴の行動に理解を示すのはかなり無理があったので夜のプールは必要な描写だったのか？と問いたいです。
遙と真琴関係のBの付く関係が好きな方には何度でも見れるアニメだと思います。

凛、宗介、怜、渚はとても可愛かったです。特に旭と怜の出会いはすごく大好きです。あれは何度も見たいシーンです。

他にも色々と辻褄が合わなくなってる点がかなりありますが、Free!と原作ハイスヒード！とは別の世界観と考えて視聴すれば解決できるのかな？と思いました。※Free!と原作ハイスピ別の世界観として見てます

アニメ『Free!』とは違う制作陣ということで、発表された当初はアニメシリーズのファンとして、どんな仕上がりになるのか少し気になる点ではありました。しかしアニメシリーズに負けない、テレビで見るそれ以上の、映画館のスクリーンいっぱいに映る水！水！！水！！！とても綺麗で躍動感のある美しいプールの水に見惚れました。

また、入学式から水泳部に入部し、新チームがメドレーリレーを泳ぐまでの過程は観る前に分かっていても実際観ると、とても新鮮な気持ちでわくわくハラハラしながら楽しめました。

景色や背景もとても素敵で、中学校の教室やプール、主人公たちの自宅、海辺、通学路、スイミングスクール、中にはアニメで少し出てきた所もありましたが、中学生の彼らが生活する環境は全てが新鮮でした。が、『Free!』の世界と同じなんだな〜と感じさせるように描かれていてとてもすんなり受け入れれるようになっていました。

映画館で観る上で一番気になっていたのは音でした。水の音がどう聞こえるのか楽しみでした。ここもとても素晴らしいのひとことです。プールに入水する音、水面に手を叩きつける音、息継ぎ、水中の音までどれも素晴らしく映像に合っていました。

声優さんの演技も圧巻でした。
アニメシリーズと同じ男性声優さんが演じていらっしゃいましたが、高校生の時とは違う幼さが残る中学生の演技はとても自然であどけない姿の絵とピッタリで違和感なく耳に入ってきました。
また、小学生キャラクターは女性声優さんが演じていらっしゃいましたが高校生の彼らの前身ということがよく分かるような、違和感を感じさせないキャラクター其々の喋り方や動きがとても素晴らしかったです。

男子キャラクターばかりのアニメ映画ですが、映画館には若い男性の姿もありました。ハイティーンから20代の女性が圧倒的に多かったです。

キャッチコピーにあった通りの、水の中の思春期でした。
中学生ならではの彼らの心の葛藤や変化が、とても繊細に描かれています。
Freeのアニメが好きだった方、原作のハイスピードが好きな方、みんなに見てほしいです。

私はFreeアニメシリーズ自体は元々見ていましたし、ハイスピードの小説も読んでいました。
もちろん映画はハイスピードの小説を完全再現というわけではありませんでしたが、それを加味しても原作を崩すことなくまた別の角度から彼らの大事な時間を垣間見たという気がして、大満足でした。
キャラクターの作画の丁寧さ、美しさはもちろんのこと、音楽、水の表現（はさらに今までのアニメシリーズよりもこだわっていた気がします）、作品全体の雰囲気もとても筆舌には尽くしがたいほど素晴らしかったです。
パンフレットを読めば分かるのですが、監督がFreeのファンや関係者の方々に負けないようにがっかりさせないように自分なりに愛情を込めて作りこんでいったのがよくわかります。
どのシーンを見ても、全てのキャラクターがちゃんと役割を持って存在しているというのがとにかく凄い！扱いが雑になるようなキャラクターが居なかったのでたとえ少ししか登場していないキャラクターでもちゃんと存在感があります。

クスッと笑える場面や、うんうんと頷きたくなる部分、うるっと心に響く場面、お話の流れも観客を飽きさせない工夫がされていてずっと新鮮な気持ちと興奮で見ていられたことも高評価の理由です。

私はこの映画をFreeを知らない人にも見て頂きたいと思っています。
確かに知っていた方が楽しめる部分もあると思いますが、知らなくても十二分に楽しめる映画だと思いますし、これを機にアニメシリーズを見てみようと感じる方もいらっしゃるかと思います。

見て損はないと思いますので、みなさんぜひ劇場で彼らの夏を体感してみてください。