「アルトマンらしさ」ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
アルトマンらしさ
ロバート・アルトマン。
『M★A★S★H』『ナッシュビル』『ザ・プレイヤー』『ショート・カッツ』『ゴスフォード・パーク』などの傑作/名作で多くの賞を受賞。
『宇宙大征服』『ギャンブラー』『イメージズ』『ロング・グッドバイ』『ビッグ・アメリカン』『三人の女』『ウエディング』『プレタポルテ』『カンザス・シティ』『今宵、フィッツジェラルド劇場で』など秀作/意欲作を次々発表。
TVドラマも手掛け、『コンバット!』を演出。
『ポパイ』なんて失敗作もあったが、2006年に亡くなるまで精力的に活躍し続けた、言わずと知れたハリウッドの名匠。
自分にとっての“アルトマンらしさ”とは、アンチハリウッド、反骨者。
出演者や関係者、家族らが、彼らなりの“アルトマンらしさ”や素顔を語るドキュメンタリー。
米陸軍航空軍入隊。この体験が後の『コンバット!』に活かされる。
CMの仕事で撮影や編集を学び、短編やドキュメンタリーを製作。
映画への仕事は脚本から。仕事を貰いたいからと、“嘘”を付いて映画の世界へ。嘘付いてユニバーサル・スタジオに出入りしていたスピルバーグはアルトマンに習ったのか…?
初の長編作は本人にとっては失敗作。しかし、あのヒッチコックの目に留まり、“ヒッチコック劇場”のディレクターに抜擢される!
ヒッチコック×アルトマン! 今思うと凄いタッグだが、たった2話で降板。
その後TVドラマで傑作残し、3人目となる妻キャサリンと出会う。
そして再び映画界に戻り、低迷期や闘病あれど、2006年までの活躍は言うまでもない。
本当に山あり谷あり。そりゃあドキュメンタリーにもなる。
映画人生も生き方も“型破り”と言われたアルトマン。
残念ながらこの作品自体は至って平凡なドキュメンタリー。型破りにはなれず。
が、アルトマン入門編、改めてアルトマンを知るにはちょうどいいかも。
アルトマンらしさとは?
型破りと言われたが、実際は、
映画を愛し、家族を愛した男だった。