劇場公開日 2016年7月30日

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「露になる人間の醜さ。逃れられない至極の恐怖。」アンフレンデッド 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0露になる人間の醜さ。逃れられない至極の恐怖。

2016年8月3日
PCから投稿

怖い

単純

興奮

【賛否両論チェック】
賛:SNSを舞台に、死んだはずの友人による惨劇が連鎖していく様が、斬新でハラハラさせられる。
否:全てがPCの画面上なので、どうしても退屈な間や描写が多い。恐怖シーンも画面の向こうで起きているので、やや迫力には欠けるか。

 全てがPCの画面上で展開していく辺りは、イライジャ・ウッド主演のサスペンス「ブラック・ハッカー」にも通じるところがありますが、本作ではSkypeやFacebookといったSNSが多用され、友人達と会話をしている中で、死んだはずの友人の亡霊による恐怖に侵食されていくという、非常に特殊なホラー映画です。どうあがいても逃れられない死の恐怖が、どうしても単調になりがちな物語を、ハラハラさせる展開へと変えていくのが印象的です。
 同時に、亡霊によって暴かれていく友人達の脆い友情と、偽善の仮面の下に隠れた醜い本性が、人間の愚かさを際立たせていくようです。
 序盤はかなり退屈で、ラストも割と呆気ない感はありますが、身近にあるツールを駆使した極上の恐怖体験を、是非劇場で。

映画コーディネーター・門倉カド