ボヴァリー夫人とパン屋のレビュー・感想・評価
全6件を表示
恋とは胸が痛むものだ
当時、映画館で観ました。
マルタンが段々とジェマに惹かれていくのはわかる気がしますね。
結構自由な感じで。
自分が作ったパンをあんなに美味しそうに頬張られたら、大体の男は気になってしまうのでは❓
しかし、彼女は金髪の若い男と不倫するようになり、行く末を心配するマルタン。
最後の展開は、辛いですね。
パンをつまらせた彼女を、ハイムリック法(でしたよね❓)で助けようとする男。
しかし夫がその場面を目撃すると、姿勢的に勘違いし男に殴りかかります。
その間に彼女は窒息死してしまう‥。
その後のマルタンと夫のシーンは空気が重いです。
最後はまた新たに、誰かが引っ越してきましたよね。
また小説さながらな展開が起こるのでしょうか。
葬式ムードで終わるよりは、私は良かったのではと思いますね。
ジェマ・アータートンを、知るきっかけになった作品でした🎬
田舎では抗うつ剤を飲む人が多いんだ
映画「ボヴァリー夫人とパン屋」
(アンヌ・フォンテーヌ監督)から。
フランス人がイギリス人に、たどたどしい英語で
話しかけるシーンから、笑いながらメモを取った。
本当は、フランス語で話したいんだろうなぁ、と。
続いて「何気ない彼女の仕草に一瞬にして
10年間眠っていた性欲が目覚めた」との字幕、
思わず、照れ臭くなって、メモしてしまった。(笑)
やはり強調されているのは、フランスの田舎の暮らし。
「田舎暮らしは快適だと思われるが、
めげない精神力が必要だ」「強い心が大切」
「意外かもしれないが」と前置きして、
「田舎では抗うつ剤を飲む人が多いんだ」と続けた。
長閑なようで、実はけっこうストレスが溜まるのが田舎。
そんな表現が面白かった。
主人公の愛読書「ボヴァリー夫人」のストーリーと、
目の前で起きている現実が重なり、物語が展開していく。
ラストに出てくる「人生が芸術を模倣することもあるんだ」
このワンフレーズが作品の肝かな。
P.S
「原題:Gemma Bovery」に「パン屋」を付け加えた邦題、
何か意味があるのだろうか?(笑)
英語とフランス語がごっちゃごちゃ
2年前に読んだ「ボヴァリー夫人」の物語が蘇ってくるようでした。結末も違うしコミカルに描かれていますが現代版ボヴァリー夫人。登場人物の設定まで原作を真似ているので読んだことある人は面白いかもしれません。
しかし、個人的にはしょーもない下品な下ネタを見ているようであんまり面白くはなかったです。
次回作はアルヌー夫人とパン屋を期待します。。
風にそよぐ草
フランス映画らしいファンタジックな現代劇。
グザヴィエ・ドランの映画なんかにも言えるけど、あの雰囲気の中に普通にスマホが出てくるのがとても面白い。
ジェマ・アータートンの絶妙なバランスの美しさがこの映画を見事に作っており、周りの男どもが彼女に執心するのもわかる。
最後は男どもを翻弄し続けたジェマがほとんど男どものせいでしょうもない死に方をしたのも、とてもフランス映画らしかった。
一つ残念なのは、原題はただのジェマの名前なのに、邦題でパン屋を付け加えたこと。
「ボヴァリー夫人」だと色々と問題はありそうだけど、パン屋を強調して意識させるのはなんか違うと思った。
作品は素晴らしかっただけに。
妄想おじさんが面白い
フローベルのボヴァリー夫人は読んだことないですけど、あらすじは多少知ってる程度です。楽しく見てきました。
R15+にしてはエロス描写は控えめでしたが、まぁ登場人物たちの行いはどいつもこいつも非道徳的なので、中学生以下お断りなのかもですね。
ジェマボヴァリーの夫だけがかわいそうでしたね。
ジェマボヴァリーの美人すぎないけど官能的な体つき、浅薄さに見とれました。ほとんどマルタンと同じ気分で唾を飲むような気分で見ました。浅はかで欲に忠実な美しき人妻。英国アクセントもいいかんじでした。
絵的に一番大胆なのはコートの下にレースの下着だけで不倫相手に会いに行くところですね。まぁ楽しそうな情事でした。
ハメながら罪悪感に苛まれる、みたいな悲劇に酔った不倫劇は見ててイライラしますが、楽しそうだと嫌悪感が薄いです。
で、不倫相手が、「胸騒ぎの恋人」で男女それぞれから惚れられながらいい加減にあしらった美しき悪魔のニコラ役の役者でした!こんなところで再会出来ましたね、なんかうれしい。ブロンドの巻き毛とタレ目と素敵な肉体で目の保養でした。
法律の勉強をするためにパリから別荘に来た元貴族?のボンボン役でした。ハマってます。
主人公のマルタンジュベールは近所に越してきた英国人のボヴァリー夫人が小説「ボヴァリー夫人」と同じ運命を辿りやしないかとヒヤヒヤして、そしてボヴァリー夫人のエロスにムラムラしてストーキングします。ヒ素入の殺鼠剤に反応しすぎるのは小説のボヴァリー夫人がラストでヒ素で自殺したからなんでしょうね。
自殺されてなるものか!と迷惑な奮闘をするんですが、結局マルタンの作ったパンを喉に詰まらせて現実のボヴァリー夫人は死んじゃうんです。
わーなんてヒドイ話なんだ!でも笑ってしまったやないか!ストーキングすれすれの思慕がこもったパンが、狂気になっちゃった!
マルタンは不倫相手を語った手紙でボヴァリー夫人と不倫相手の仲を裂こうとしたり、犯罪も犯しているわけですが、お目目ひんむいて凝視する表情はいかれているけど可愛くも思え、困ったもんです。
さて、ボヴァリー夫人が亡くなり、また隣の家に新たな住民が来たのですが、マルタンの息子曰く、「ロシア人で姓がカレーニナだよ」とのこと!まさかアンナカレーニナでっか?と、またマルタンのビョーキな暴走が始まる?という場面で終わります。
ちなみに新しい隣人はフランス人夫婦。マルタンの息子がオヤジを騙したんです!
成績悪いとかテレビゲーム禁止とかでイイトコなしだった息子が、最後でやってくれました。
笑ったらあかんのでしょうが、おかしくておかしくて、結構笑いました。
この映画は(も?)性格悪い人むけですね。
パトリス・ルコントを髣髴させる艶笑喜劇
なんとなくパトリス・ルコントの艶笑喜劇を思わせる設定で、物語の中心の三人の配役がとてもよろしい。
地味なジェマ(ジェマ・アータートン)が、マルタン(ファブリス・ルキーニ)の眼を通してみると、これがなかなか官能的にみえてくる。
そして、あんなことやこんなことになるのではないかしらん、というマルタンの心配を他所に(というか、心配どおりに、というか)あんなことやこんなことになってしまう。
監督のアンヌ・フォンテーヌ監督は『ドライ・クリーニング』や『恍惚』なんかを手掛けた女性なので、平凡な女性が官能に溺れていくさまや、嫉妬する男性の描き方がなかなか上手い。
結末は・・・まぁ、身から出た錆とでもいうようなものなのだが、悲劇的なのにあまりに滑稽で皮肉。
この結末には、思わず、噴き出してしまいました。
フランス人とイギリス人の対比や、傍役で登場するイギリス男性と結婚したスノッブなフランス女性など、随所に皮肉な味わいも感じられます。
全6件を表示