「パトリス・ルコントを髣髴させる艶笑喜劇」ボヴァリー夫人とパン屋 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
パトリス・ルコントを髣髴させる艶笑喜劇
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なんとなくパトリス・ルコントの艶笑喜劇を思わせる設定で、物語の中心の三人の配役がとてもよろしい。
地味なジェマ(ジェマ・アータートン)が、マルタン(ファブリス・ルキーニ)の眼を通してみると、これがなかなか官能的にみえてくる。
そして、あんなことやこんなことになるのではないかしらん、というマルタンの心配を他所に(というか、心配どおりに、というか)あんなことやこんなことになってしまう。
監督のアンヌ・フォンテーヌ監督は『ドライ・クリーニング』や『恍惚』なんかを手掛けた女性なので、平凡な女性が官能に溺れていくさまや、嫉妬する男性の描き方がなかなか上手い。
結末は・・・まぁ、身から出た錆とでもいうようなものなのだが、悲劇的なのにあまりに滑稽で皮肉。
この結末には、思わず、噴き出してしまいました。
フランス人とイギリス人の対比や、傍役で登場するイギリス男性と結婚したスノッブなフランス女性など、随所に皮肉な味わいも感じられます。
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