「煽らず、観る者の知性を信じる」沖縄 うりずんの雨 るりさんの映画レビュー(感想・評価)
煽らず、観る者の知性を信じる
清々しいほどに観客の知性を信じた作品。
煽らない。
話されている内容を考えれば、
容易に激情が流れ込むだろうと想像されるのだが、
映像も言葉も抑制的ですらある。
監督の人となりが成せる技なのだろうか、
鋼のような意志だ。
沖縄戦、アメリカ占領、
基地を残されたままの日本復帰から現在。
時間をかけて映し出される占領下の映像と
当時の証言を観ながら、沖縄が語られる多くの場合、
この占領時代が宙に浮いていたな、とふと思う。
沖縄戦から今に至る不正義の土台が、
占領に光を当てることで見えてくるな、と。
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