「あまりにリアルすぎる恋愛ドラマ」ラ・ラ・ランド てらゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりにリアルすぎる恋愛ドラマ
いますよね。
何度も浮気しては許されてを繰り返す男。
がらが悪くて倫理観の無い男に惹かれる女。
美人ってだけで性格度外視して遊んでる男。
夫の陰口を叩いて強さを鼓舞する女。
恋は人を盲目にしますから、端から見てたら「なんでこんなのと付き合ってるんだ」って思うカップルは世の中にいっぱいいます。
この男女だってそうですよ。
男性は感情に身を任せて、他人を邪険に扱ったり、時には人に迷惑をかけるタイプ。
女性はダブルブッキングする上に二股。相手に礼儀も払わない。
そんな二人が何に惹かれて付き合ったかというと、「見た目が良い」とか「そういう雰囲気になったから」とかですかね。
まあ恋の始まりなんてそんなものでしょう。
2人とも子供っぽい性格ですから、ある意味お似合いかもしれません。
喧嘩もくだらなかったですね。
二人の言い分は其々分かりますよ。
「やりたい音楽を貫くべきだ」と「夢を追うには妥協も必要だ」っていうのは価値観の問題で、どちらも正しいです。
だからこそ冷静に話あったり、お互いを尊重する必要があるわけですが、この2人は互いの価値観を感情的に否定するだけでした。歩み寄りも思いやりも無い。
まあでも男女の喧嘩なんてほとんどそんなのですよね。分かりあえるカップルなんて所詮一握りです。
とまあくだらない恋愛関係でしたが、最後はそんな恋愛を懐かしむようなラストでした。
とっくの昔に別れて各々の人生を歩んでるっていうのに、まったく気持ち悪いですね。
でも人の恋愛なんて他人から見たら気持ち悪いものです。
そこには当人しか知り得ない思いがあるのですから。
要するに、こういうくだらない恋愛は「あるある」なんですよ。
振り返ってみたら「何であんな恋愛したんだろう」って思う恋は私にもあります。
端から見たら大したことない人に執着したり、嫌いなのに好きだったり。
決して魅力的でない恋愛ドラマだからこそ、大勢が感情移入ができるのでしょう。
うん、この映画がたくさんの人に支持されたのは納得できます。
しかしそんな映画を第三者的視点で見てしまった私は、残念ながら嫌悪感が強かったですね。
個人的な好みを含みますが、「NO」と叩きつけたい映画でした。