「山崎育三郎みたいなミュージカル俳優希望」ラ・ラ・ランド 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
山崎育三郎みたいなミュージカル俳優希望
ミュージカル自体あまり興味が無い前提でレビューします。
①ストーリーと演出について。
春夏秋冬を起承転結とし、ストーリーが進んで行く。
ありがちなラブストーリーなのだが、演出がそれを補っており、観客を引き込むワクワクさがある。
しかし「起」と「承」があまりにもワクワクさせる演出なのに対し「転」で一気トーンダウン。眠気に誘われた。
演出全体として「これぞハリウッド!!アメリカしか作れない!どや!?」感があります。
賛否両論だと思いますが、私としては好きです。
②映像について
映像は前半の多々あるワンテイクシーン(長い時間カットせず一発撮り)が見せ場。ハイウェイのシーンは後世まで語り継がれるであろう。
シネマスコープ(1対2.35)映写なので、対応スクリーンでなければ、横幅が収まる様少しだけ小さくなりスクリーンに写す。
私が観た映画館の奥の席だと迫力減。中央またはその前の席で観たかったー!
③音楽について
「(良い意味で)このシーンにこの音楽は卑怯だわ」を思わせる所があり、音楽が観ている側をスクリーンに引きこむ強さが多々ある。
監督の大好きなジャズも御見事。
ただし曲数が少ないのか、わざとそうしているのか、流れる回数が多い曲が何個かあり、少しうんざりはした。
④俳優について
ミア演じるエマストーンには、今後控えるアカデミー賞主演女優賞を獲る資格は十二分にあると思った。
彼女は「アメイジングスパイダーマン」にてヒロインを演じ知っていた。
しかし、彼女の演技はさる事ながら、こんなにダンスも歌も出来る女優だとは思ってもみなかった。
一方、相方セバスチャン役のライアンゴズリング、、、残念である。
全体的に演技が下手だと思ったし、前半のエマストーンとのダンスシーンなんて下手くそ過ぎて彼女の足を引っ張る演技だと思った。
(後半は少しだけ真面な演技をしていたが。)
山崎育三郎さんみたいなダンスを引っ張ってくれるミュージカル俳優が相方役ならば断然より良い映画になっただろうに。
主演男優賞は獲れないだろう。
監督のお気に入りになったJKシモンズはチョイ役で少し残念。
予告編やテレビでの紹介にて「う〜ん、いい所見せ過ぎちゃいましたね。」って感じです。
監督らしい最後の数分には涙が勝手に流れてました。
結末は納得です。
若い人には魅力的に映らないかも。
こういう映画の作り方もあるんだなと勉強になりました。