「ろくでなし刑事の危機×ブラック・コメディ」最後まで行く(2014) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ろくでなし刑事の危機×ブラック・コメディ
ある刑事の最低最悪・絶体絶命の危機と、愚弄。
母親の葬式中、監査が入るとの連絡を受ける。
いきなりだがこの刑事、汚職刑事。
監査が入る前に隠蔽しようと、葬式を抜け出す。
母親の弔いより、保身を選ぶ。
猛スピードで車を走らせていたら…
突然道に飛び出してきた男を轢いてしまう。
勿論、その男は死亡。
畜生、何なんだ、今日の俺は!? とことんついてねぇ!
これまでのツケが回ってきたのか、神様の悪戯か罰か。
監査も迫っている。一旦その男をトランクに入れ、再び車を走らせていると…
検問。
葬式で軽く飲み、飲酒運転もしている。
もしトランクの中の“物”が見付かったら…、一巻の終わり。
見逃して欲しいとか、ちゃんと仕事してる巡査たちに自分は刑事だとか威圧をかけ、何とかこの場を切り抜ける。
再び連絡が入り、監査の方は同じく汚職刑事の同僚たちが何とかしてくれた。
また葬式に戻る。
でも、トランクの中の“物”を何とかしないと。
そこで思い付いたのが…
母親の棺の中に一緒に入れてしまえ!
埋葬したらバレる事は無い。
何と言う罰当たり、親不孝者!
一応罪悪感は感じつつ、非人道的な隠蔽をしようとする。
この時の焦りぶり、テンパりぶりが滑稽。
人間ダメな時は、些細な作業すら大慌て。
しかしこの男、ついてないのかついてるのか、万事上手く行く。
監査を切り抜け、死体も隠し、その他諸々証拠隠滅。
一体幾つ法を犯した事やら。
ついてないと思ったが、俺はついてる!
普段通り刑事の仕事。ある殺人犯を追う。
その殺人犯の顔写真を見て驚愕。自分が轢いて殺した男ではないか…!
もし、捜査が進んで自分に辿り着けば…。
またまた窮地。
何!? あの現場の監視カメラ映像があるだと!?
(不鮮明ではっきりとは分からず)
過ちを犯し、それを無き事のようにしようとする者は、歯車狂い、さらに芋づる式にヤバイ事態に陥る。
あの現場、真っ暗で人気も無い…と思っていたのは、己の軽率。
居たのだ。目撃者が…。
脅迫。
相手が嘘を付いていると刑事の勘で感じるが、その相手と顔を合わせる。
その相手は何と…!
悪徳刑事。
主人公がクズならば、脅迫者も然り。同じ穴の狢。
罪を犯し、そのせいでヤバイ事態に陥るという筋書きだが、
轢き殺してしまった男、そして脅迫者。
悪徳刑事の横暴絡み…。
はっきり言って主人公は同情の余地ナシのろくでなし。
しかし、主人公を襲う危機、危機、危機…は、ハラハラドキドキ。
果たして主人公の運命は…!?
ツッコミ所もあるが(あの車の爆発でよく生きてたもんだ!)、ついついこのろくでなし刑事目線になって、最後まで面白く見てしまう。
面白さ、スリリングさ、人の醜い面を見てしまった後味悪さ。
THE韓国サスペンス!
ジャンルは韓国お家芸ハード系サスペンスだが、主人公に次々ヤバイ事態が降りかかりのブラック・コメディとも感じた。
それにしても、あの映画でもこの映画でも、韓国警察って本当にろくでなしばかりなのか…?