「戦争の縮図」涙するまで、生きる 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の縮図
主人公のフランス人教師ダリュは、フランス側でも、フランスからの独立を目指すアルジェリア側につきたい訳でも無い。ただ教育によって社会を変えることを望んでいる。しかし当時の情勢がダリュを中立の立場に置くことを許さず、苦しむ彼の姿が描かれている。また、ダリュと同行したアラブ人のモハメドは、従兄弟との報復の連鎖が原因で連行されることになった。攻撃された側が報復として攻撃を行うという報復の連鎖は、フランスとアルジェリアの戦争の縮図を表しているように思える。これは、ニュースで報道されるイスラエルとアラブ諸国の中東戦争も同様の構図だ。ここに戦争が無くならない原因がある。
リアリティのあるストーリーだが、終始淡々としていて盛り上がるシーンも無く、面白くはない。また、ダリュとモハメドの間に最終的に絆が生まれたような描写があったが、それまでの道中が淡々とし過ぎているので、いまいち感情移入できなかった。
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