「【”事故物件からの白雪姫。”今作は仕事一筋だった女医が事故に遭い臨死状態になるも、元自分のアパートに越して来た男と好意を持ち合い協力する事で、意識を取り戻すファンタスティックラヴコメディである。】」恋人はゴースト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”事故物件からの白雪姫。”今作は仕事一筋だった女医が事故に遭い臨死状態になるも、元自分のアパートに越して来た男と好意を持ち合い協力する事で、意識を取り戻すファンタスティックラヴコメディである。】

2025年9月24日
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ー 今作のエンドロールで、エリザベス(リース・ウィザースプーン)とデヴィッド(マーク・ラファロ)を祝福するように、”the Cure"の今作の原題でもある”Just Like Heaven”が、軽やかにポップに流れる。選曲がバッチリである。-

■サンフランシスコの病院に勤務する見習い医師のエリザベスは、スタッフドクターになるために、患者たちの為に頑張っていた。
 だが、長時間勤務により帰宅途中、交通事故で意識不明になり、生命維持装置で命を繋いでいる。が、本人は自分の状態を把握していない。
 で、自分のアパートに戻ると、知らない男デヴィッドがいるので、エリザベスは追い出そうとするが、自分が物を掴めない事を知り、自分の状態を知る。だが、何故かデヴィッドとは、掌を重ねると温かみを感じるのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・序盤は全然怖くない”事故物件”映画である。エリザベスとデヴィッドの遣り取りが、とても可笑しい。けれども、その中で、デヴィッドが妻を亡くしたばかりで哀しみの心を持っている事と、彼が心優しき男である事が分かって来るのである。

・エリザベスは生命維持装置で命を繋いでいるが、病院の出世しか考えていない非情な医師から生命維持装置を外されそうになり、姉アビーに承諾書にサインしないように伝えようとするが、既にサインをした後で、エリザベスとデヴィッドは決死の思いで、病院から彼女が寝ている生命維持装置毎、強奪しようとする・・。

■リース・ウィザースプーン主演の映画は年代的に配信でしか観ていないが、制作に関わった「ゴーン・ガール」を含め、今のところ外れが無い。
 金髪で、小っちゃくて、笑顔が素敵で、全身から発する陽のオーラが素敵なのである。
 今作も、下手な作りをすると暗ーい映画になりそうだが、全編明るいトーンで進みつつ、デヴィッドが妻を亡くしたばかりの哀しみのを漂わせていたり、エリザベスも仕事漬けの人生を振り返ったりするうちに、徐々に二人が惹かれて行く様が良いのである。

・エリザベスがデヴィッドのみと、掌を通じて温かみを感じる理由は、彼が妻を亡くしながらも誠実な男だからだと思う。店の中で突然倒れた気胸の男を、エリザベスの的確な指示で蘇生させたりね。

・そして、エリザベスは生命維持装置が外れた時に、咄嗟にキスで息を吹き込むデヴィッド。すると、心臓の波形は一度”ピー!”と水平になるも、次の瞬間再び波を打ち始めるのである。
 生き返ったエリザベスが、アパートの部屋に戻ると部屋の中にはデヴィッドはいない。彼は庭師であったので、エリザベスが”屋上に庭を作りたかったの。”という言葉を覚えていて、屋上で彼女の為に、イングリッシュガーデンを作ってあげていたのである。
 そして、二人は見つめ合い、キスを交わすのである。

<今作は仕事一筋だった女医が事故に遭い臨死状態になるも、元自分のアパートに越して来た男と好意を持ち合い協力する事で、意識を取り戻すファンタスティックラヴコメディなのである。>

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