「多少の注意喚起は必要だが、ショーン・ベイカー入門編にも良さそう」スターレット 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
多少の注意喚起は必要だが、ショーン・ベイカー入門編にも良さそう
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ショーン・ベイカーの初期作の中で、DVD市場向けに変な邦題を付けられていた作品だが、どこを切ってもちゃんとショーン・ベイカーなヒューマンコメディ。性産業に従事する主人公と、偏屈で人付き合いが苦手な老婆の交流という、いかにもベイカーが好みそうなモチーフが最近の作品よりもストレートに描かれていて、この頃は甘かったと捉えることもできるし、その甘さが入りやすさにも繋がっているので、ショーン・ベイカー入門編にいいかも(性描写はバッチリあります)。老婆が預かった犬を延々と探しまわるシーンの不穏さと生々しく伝わってくる不安感、それでいて犬が見つかった安堵の場面を映さない省略の妙など、ザクザクと観客を突き放しては引き戻すツンデレ演出もたまらない。
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