「●激動の時代を生きた男とその家族の物語。」国際市場で逢いましょう うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●激動の時代を生きた男とその家族の物語。
泣ける。激動の時代を生きた男とその家族の物語。ひとりの男の人生を通じて、さりげなく韓国の苦難の歴史が映し出される。が、親友のダルグ演じるオ・ダルスのおちゃらけもあり、悲壮感を感じさせない。韓国映画って、このへんのバランスが抜群によい。「7番房の奇跡」とか。
主人公は朝鮮戦争やベトナム戦争に翻弄され、ドイツでは炭鉱事故に遭う。それも、戦争で生き別れた親父に代わって家族を養うためだ。
それだけにドイツでのピュアな恋は、初々しくてよい。似たような境遇のふたりが惹かれ合う。
「私の出身とか、経歴とか聞かないの?」「聞かなくてもわかります。長女だ。家は貧しい。稼いだお金はほとんど仕送りに消える。」
外国人労働者というか、出稼ぎたちの悲哀。炭鉱事故の場面は心が打たれる。叫ぶキム・ユンジン。これで動かなきゃ男がすたる。
ずっと、生き別れた父親と妹に負い目をもって生きている。その苦労を誰にも話さずに。老いてなお、店を売らない意味。ところどころ、涙が止まらず、直視できなかったシーンも。しかし、観客は異常に女性比率が高かった。韓流スター目当てなのかな。おかげで立ち見でした。
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