「人の感情は複雑」ピンクとグレー ホシナミさんの映画レビュー(感想・評価)
人の感情は複雑
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原作未読で鑑賞。原作者自身がアイドルという虚構の存在でありながら芸能界を描くという、その上で非常にメタ的であり、ミステリー要素を使うことで本人の批判的視点、ある種の絶望感のようなものまで感じ取れた。主人公は自ら命を絶つ寸前になって初めて親友の自殺の理由を知る。邪推ではあるが、アイドルとして一般人よりも遥かに多くの人を相手にする立場にあって、自分の気持ちを理解してもらえない、自分への他人の思いを理解することができない、というような苦しみ・葛藤が作品に表れているのではないだろうか。劇中でも印象的な、「やりたいことじゃなくてやれることをやる」「しょうもな」というセリフはまさに作品のメッセージ性を的確に示していたと思う。
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