劇場版　ニルスのふしぎな旅のレビュー・感想・評価

TVシリーズでお馴染みの
主題歌（歌：加橋かつみ）では
ありませんが、その曲を
アレンジしたインストゥルメンタルは
２回ほど使われています。
好きなので数えました。

主人公ニルスは小山茉美さん
（『Dr.スランプ アラレちゃん』の則巻アラレ、
『キテレツ大百科』のコロ助など）。
ナレーション と
イングリットの声は
松島みのりさん（『キン肉マン』のミートくん）。

劇場版の今作には
押井守さんも関わっていて、作画が良く、
キャラクターの動きは見ごたえがあります。

終盤、モルテンを助けるニルスの場面で
泣いてしまいました。

実はこの作品は同題材を扱いながら、TVバージョンとは同一カットが全く存在しない、“完全新規作画作品”であり、事実上の押井守氏の劇場用制作デビュー作品と位置付けられる作品だったのである。

学研による1980年スタジオぴえろ制作の、NHK総合テレビで1月8日から翌1981年3月17日まで放送されたTVシリーズがあり、それは大好きでいつも観ていた。
TVシリーズは全52話に渡ったとても長尺のストーリーだった。

終了後間もなくの時期にもNHK総合テレビでの再放送が行われ、それも観ていたが、丁度その辺りの時期にこの『劇場版　ニルスのふしぎな旅』が製作されていたという事は当時公表されておらず、全く知らなかった。

その後30年近く時が経ち、2011年12月にNHK BSで放送されると知った時に、初めてその存在を知ることとなった。
その時にも詳細がわからず、当時も他のアニメ作品で流行っていたTVシリーズを再編集する手法を取った、単なる総集編としての劇場版だろうとの認識だったが、実はこの作品はTVシリーズ『ニルスのふしぎな旅』演出を担当していた押井守氏による、幻の劇場映画初監督作品だったということを後に知った。

そもそも、1979年にタツノコプロから移籍した同氏がスタジオぴえろで初めて演出家の一人として関ったテレビアニメが『ニルスのふしぎな旅』だったのである。

この作品が封印に至った経緯としては、1982年に完成していたもののその後も製作の学研の都合でビデオソフト、DVD化はされた事があったものの都合で劇場での公開はなされないまま見送られてしまったというもの。
この辺りの事にはその当時は全く気付かなかった。

テレビシリーズのダイジェスト版。
絵も綺麗だしよく動く。なぜこの手のアニメ映画が今は皆無なのだろうか。