劇場公開日 2015年10月9日

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「アメコミヒーローの新たな切り口」ファンタスティック・フォー ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アメコミヒーローの新たな切り口

2015年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

んー、と。んー。これまた、なっかなかの切り口で来ましたねぇ、という感じで。なんというか、その、とんでもない賭けに出た!みたいな。イチかバチか!みたいな。伸るか反るか!みたいな。
というのも、う~ん、なんて表現すればいいんでしょう。なんていうのかな、兎に角、テンションが低いんですよ。アメコミヒーローらしからぬテンションの低さ。何か同系列の映画あったかな?と頭の中を巡らしてみて『ダークナイト』的かな?と一瞬だけ過ぎったんですが、あれとは種類がまた違いますね。『ダークナイト』はリアルに迫ってはいたけども、アクションは派手だし、ジョーカーのメイクも派手だし。まあトーンは暗かったんですけど。
えー、えー。つまりは、この映画、アメコミヒーローの洒脱さや豪快さが全くナシ!なのですわ。ウィットさもナシで。躍動感もナシで。マーベル作品に期待していた要素、総じてナシ!という。梨の礫(意味違うか)。

で、鑑賞前はまず“そこらの期待を一切捨てましょう”と、お伝えしたいのです。これは「こういう映画」ですよ、と。ヒーローモノとしては余りにも盛り上がらない映画ですよ、と。
そして、そこがじゃあ「果たしてマイナスポイントなのか!?」というと、これまた人によりけり、という部分で。SNSなんか眺めてますと、この映画のことボロックソDISってる人が滅茶苦茶いますからね。それもとてもよく分かるんです。自分も脚本がそんなに上手くないよなあ、とは思ったし。本格的なSF路線リアル路線を目指してるのは一目瞭然なんですけどね。それにしても、こう、余りにも映画的な抑揚が足りない。山場が少なくないか?と。おまけに作った監督のジョシュ・トランク本人が「気に入ってない!」ってんだから、お墨付き貰っちゃってるんですよね。

でもね、「じゃあお前はつまらなかったの?」と問われると、自分は「楽しかった」んですよ。不思議なもので。あれれ?と。こんだけ盛り上がりに欠けるヒーローモノなのに?と。つまりは、さっきも言いましたけれど、これは「こういう映画」なんですよ。こういう映画。正直ヒーローじゃないです。リアル路線で人物描写を丁寧に、起きた事象を丹念に描いた少し派手目のヒューマンドラマとして捉えればね。うん、腹も立たない。いや、寧ろ面白くね?と。

なんだか貶してるのか褒めてるのか分からないレビューになってしまいましたが、参考になりましたかね?ならないか。ですよね。

失礼しまっす。

ロロ・トマシ