傷だらけのふたりのレビュー・感想・評価
全14件を表示
【”愛の記憶・・。”生き方、愛情表現が不器用だが情に厚いチンピラと、父の借金で苦しむ銀行員女性との切ないラブストーリー。ファン・ジョンミンは矢張り、若き頃から名優です。】
ー ご存じの通り、今作の主演、ファン・ジョンミンは韓国の名優である。傑作「国際市場で逢いましょう」を劇場で観て、その後2018年以降の日本公開作は全て劇場で観て来た。特に今年公開された「ソウルの春」で、全斗煥をモデルにした男を演じる姿は、すさまじかったものである。
で、彼が比較的若い時の作品も、少しづつ観ているが、矢張り良き俳優であると、改めて思うのである。-
■高利貸しの取り立てをしているテイル(ファン・ジョンミン)は、猪突猛進な、粗野で乱暴者な面があるが、情に厚い一面を併せ持っていた。
ある日、病院で昏睡状態に陥った老いた男の借金をその娘で銀行員のチュ・ホジョン(ハン・ヘジン)に肩代わりさせたテイルだったが、その美しい娘に一目惚れしてしまい、不当に高い金利の覚書を破棄し、自分と一日に一時間だけ一緒にいる事で、借金の金利を取り消す覚書に捺印させる。
◆感想
・最初は、テイルを嫌っていたチュ・ホジョンだが(そりゃ、そーだ)、父が亡くなった際に誰も弔い客のいない葬儀場に現れ、喪主の如く振る舞い、多数の人を読んで賑やかな葬儀を取り仕切るテイルの姿を見て、情に絆されて行くシーンが、とても良い。
ファン・ジョンミンが演じると、嫌味が無く、クスクス笑いながらも、少し熱いモノが込み上げるシーンである。
・チュ・ホジョンは葬儀の件がきっかけで、テイルに心を許し、二人で一緒に住むようになる。幸せそうな二人の顔。
そして、チュ・ホジョンはテイルに取り立て屋の仕事を辞めるように頼み、二人で新しい仕事を始めるために店を持つ事を考える。が、テイルは退職金を賭博で増やしてやるという同僚のドゥチョル(チョン・マンシク)の誘いに乗ってしまう。その賭博屋に強盗が現れ、有り金を全て取られたテイルは自棄になり、酒場で軍人達と喧嘩になり、刑務所に入れられてしまう。彼を不動産屋で待つチュ・ホジョンの表情が、切ない。
・2年後に、刑務所を”模範囚”として刑より早く出たテイル。だが、当然チュ・ホジョンは迎えに来ておらず、テイルは贈り物を持って彼女の家を訪ねるが、冷たいあしらいを受けてしまう。(そりゃ、そーだ。)
■だが、テイルが早く刑務所を出た理由が”深刻な脳腫瘍に犯されていたために、刑の執行停止を受けた事が分かるシーンから、この作品は一気に切なくなっていくのである。
その事実を知ったチュ・ホジョンや、いつも喧嘩ばかりしていた兄ヨンイル(クァク・ドウォン)、叱られてばかりいた少し認知症の症状がある父(ナム・イル)との関係性が、少しづつ変わって行く過程が、実に上手く描かれている。
父も兄も、態度を急変させるわけではないが、残り少ないテイルの人生を考える様。テイルも、自身の病を知っておりチュ・ホジョンの家に謝りに行った時のシーンも、切ない。
彼女の部屋に額縁に入れられていた且つての”自分と一日に一時間だけ一緒にいる事で、借金の金利を取り消す変な覚書”をテイルがチラリと見るシーンは、沁みる。
・そして、テイルは口の悪い姪ソンに欲しがっていたスマホを送り、彼は町を出る。だが、チュ・ホジョンは、同僚に男性を紹介されながらも、テイルを追って来るのである。
更にテイルは、父に”チュ・ホジョンは、独りなんだ。父さんが面倒見てくれよ。”と言って、ハートの形をした自作のお守りを渡すのである。
その後彼の葬儀が行われる。この時に、大仰にテイルとチュ・ホジョンが抱き合って、涙を流すシーンなどが一切ない事が、却って良いのである。
葬儀後、チュ・ホジョンと、テイルの父はハートの形をしたお守りを、一緒に握るのである。
<今作は、生き方、愛情表現が不器用だが情に厚いチンピラと、父の借金で苦しむ銀行員女性との切ないラブストーリーであり、無骨だが、情に厚く心優しき男テイルを演じるファン・ジョンミンの姿が、沁みる作品なのである。>
涙が、、、
よくありがちな設定なんだけど 涙がでてきちゃった。
丁寧に、丁寧にストーリーは進んで
みんなそれぞれの思いがあって
テイルはホジョンと出会ってよかったね
残されたホジョンは気の毒すぎる、悲しすぎる
前半がピーク
前半の借金取りの少しコメディよりの空気感は面白かったけど、
突然収監される分かりにくい展開から、
シリアスな空気になって僕的にはつまらなく感じた。
ヤクザ組織から命懸けで抜けると言う話だと思ってたので、フリもなく病気くからのお涙頂戴は、
あーそっちか…と冷めてしまったし、
彼女に会いに行って別れて会いに行って別れてと
ダラダラしてるように思えた。
父の葬式の後、この町を出ると言って、
そのまま別れても良かったんじゃないかな?
とも思いました。
後半、好きな人は好きなんだろうけど、
僕はちょっと苦手でした。
誰かを愛した記憶は、時間が経つほど・・・
誕生日に人生を振り返り、
クソみたいな人生だなって苦笑いしていたら、
ふと、この映画を再度鑑賞したくなりました。
この映画の中で、そんな台詞があったなって
思い返してしまったので。
40年間、自分の思い通り好き勝手に
生きてきた男(ファン・ジョンミン)が、
出会った女(ハン・ヘジン)に一目ぼれ
人生で最初で最後の恋-
男は闇金融の取り立て屋、女は銀行員・・・
身分も違う二人がなぜ出会ったのか・・・
入院している父親の借金の返済
こんな状況で恋に落ちるのか・・・
男の一目ぼれは分かるけど、
こんな状況で女が惹かれるかな・・・
結構、ハードル高いシチュエーション。
男はかなりの不器用で、
職業柄から想像できないほど内心は
優しい男。取り立ての際、お金を返済できないならと
同情した男の前で、ガソリンを飲んで・・・
このシーンだけで、男の内面の優しさを理解できた。
借金の肩代わりにと1日1時間のデートを申し出るが
女の心は開くことがない・・・
どうやって、二人を接近させていくのか・・・
食事のワンシーンで、
この二人の距離を近づけていった。
このシーンはすごく効果的恋に
落ちていくのが自然な形だった。
このペースでいくと、
物語のインパクトがなく淡々と話が
流れていくところだけど、
中盤~終盤、不治の病に冒されて、
あっ、よくある展開ね・・・
この展開に少々、満腹感があるんだけどね(笑)
女の事を想い、ある決断をする-
この決断によって、二人は別れることに・・・
幸せの絶頂から、突然2年後・・・
という展開は驚いたなぁ~
あまりにも突然の演出だったから
2年間の空白は何?って
男は残りわずかな命で、彼女の幸せを見とどけに・・・
ここからが怒涛の展開に、なっていく。
女が男の死を知った後・・・
二人が再会して、言葉を交わすのでもなくただ、
泣いて立ちつくすシーン
これだけでも感動的で終わりかな・・・と
思ったら2度、3度といつ終わるのだろうとくどいぐらいの
シーンの切替によく、
もういいよ~なんて気持ちになることがあるけど、
この映画は2度、3度と
積み重ねっていくことによって
涙腺が完全に決壊へと追い込まれてしまった。
男が、女に対する愛情を父に語ったシーン
クソみたいな人生・・・
彼女の父親代わりになって欲しいと懇願するシーン。
三段オチに完全にノックアウトです。
ラジオから流れる言葉が好きなので
そのまま載せます
”時間が薬だという言葉があります”
”でも、誰かを愛した記憶は”
”時間が経つほど鮮明になります”
恋愛で、別れたとき時間が
解決してくれるなんて考えだったけど
個人的な恋愛映画のNo.1は本映画と
同じく韓国映画の「八月のクリスマス」ですが、
この映画は双璧をなすかもしれない。
パンフレットに書いてましたが、
「八月のクリスマス」と同じロケ地らしいです。
この作品に出会えた事が運命を感じます。
ファン・ジョンミンは「新しき世界」に続いて、
2本目なんですが人間味あふれる俳優ですね。
こんなファンジョンミン素敵 !
キャストが豪華ですね。この女優さんも美人で素敵。ファンジョンミンのラブストーリーなんてどんな感じかドキドキしたけど、とっても面白かった!
号泣
いつもながらジョンミン兄貴は素晴らしいです(ファン・ジョンミンの事、勝手に兄貴と呼んでますw)
このまま、ゆっくりと話が流れていくんだろうか…しかし、そこは韓国映画だから、少しくらいは何かあるんだろうな…と思いつつ鑑賞してましたら、終盤完全にやられちゃいました。号泣です。
男も惚れる男(自分は女だけどw)ってこんな人間の事、言うんだろうな…
兄貴最高です。
ファンジョンミン
優しい借金取りの話。ヤンイクチュン的な話を期待していたら、全く傷だらけじゃない二人の話。ハン部長のセカンドバッグ小脇に挟んでのチンピラ歩きが良い感じ。後半の引っ張る感じに乗り切れず。ラジオを使ったラストの稚拙さに泣く。
感情移入
新しき世界のチョンチョンとかぶるキャラクター。ほんと、憎めない。あのやりすぎ感も新しき世界と同じ匂いが。
泣ける、との前評判だったが、笑えるところもいっぱいあり、声出してわらったし、最後はベタにボロなき。
ただ、悲恋ものだから泣ける話として成立しているけど、あのふたり、そのまま続いていたらどうなってたかなぁ…とちょっと冷静にみてしまった。結局、報われない運命のなかで、愛情だけを残した切なく美しい話に感情移入したけれど。
しっかしファンジョンミンの愛すべきキャラクター、ほんとに憎めなくてサイコーだ、日本でああいう存在感のある俳優はいるだろうか?
余談だけど上映館のシネマート新宿のあのマニアックな空気が好きだ。韓流ならまかせて的な安心感。
良い意味で裏切られた
借金取りが銀行員の女性に一目惚れしてしまって、
彼女を手に入れるためにあれこれ奮闘する
というコメディタッチな映画だと思っていました
しかし、違いました。
女性をものにして終わりではない。
一人の男が一心に不器用に大切なひとを愛し抜いた物語です
韓国映画らしい筋書きだけど
やっぱり泣いてしまう
最後の彼の後ろ姿がとっても印象的でした
もう一度観たいな
コスプレの似合うハン・ヘジン
早稲田の映画館が立ち見状態だったので急きょ新宿へ移動。
ハン・ヘジンの銀行員服姿に萌える。
TVの時代劇に出ていた時のコスチュームも可愛かったし、この人、コスプレが良く似合う。
で、映画のほうは、借金取りと女子行員の悲恋もの。格差あり、病気あり、裏切りあり、家族愛あり。
「嘆きのピエタ」の借金取りは血も涙もない取り立てをしていたが、こちらの主人公は、取り立て先にガソリン撒いたと思ったら自分もガソリンを飲んで脅す。「俺も飲むから、お前も飲め」と。
この時点でこの借金取りが、債務者の人生を破壊してまで債権を回収するタイプではないことが良く伝わってくる。つまり、凄んでいる割には優しいのだ。
だからヘジンの父親の葬式を出すときに、彼の取り立て先の人々が協力してくれることに何の違和感も生じない。そして、そんな借金取りに警戒心を解き、やがては好きになってしまうという、ベタな展開にも無理がないのである。
この二人の、不幸ながらもお互いを強く愛し合う幸福感に浸れる。ここまで愛し合える相手がいれば、人生にどんな不幸が訪れても怖くはないだろう。
全14件を表示