「誰かを愛した記憶は、時間が経つほど・・・」傷だらけのふたり シムウナさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かを愛した記憶は、時間が経つほど・・・
誕生日に人生を振り返り、
クソみたいな人生だなって苦笑いしていたら、
ふと、この映画を再度鑑賞したくなりました。
この映画の中で、そんな台詞があったなって
思い返してしまったので。
40年間、自分の思い通り好き勝手に
生きてきた男(ファン・ジョンミン)が、
出会った女(ハン・ヘジン)に一目ぼれ
人生で最初で最後の恋-
男は闇金融の取り立て屋、女は銀行員・・・
身分も違う二人がなぜ出会ったのか・・・
入院している父親の借金の返済
こんな状況で恋に落ちるのか・・・
男の一目ぼれは分かるけど、
こんな状況で女が惹かれるかな・・・
結構、ハードル高いシチュエーション。
男はかなりの不器用で、
職業柄から想像できないほど内心は
優しい男。取り立ての際、お金を返済できないならと
同情した男の前で、ガソリンを飲んで・・・
このシーンだけで、男の内面の優しさを理解できた。
借金の肩代わりにと1日1時間のデートを申し出るが
女の心は開くことがない・・・
どうやって、二人を接近させていくのか・・・
食事のワンシーンで、
この二人の距離を近づけていった。
このシーンはすごく効果的恋に
落ちていくのが自然な形だった。
このペースでいくと、
物語のインパクトがなく淡々と話が
流れていくところだけど、
中盤~終盤、不治の病に冒されて、
あっ、よくある展開ね・・・
この展開に少々、満腹感があるんだけどね(笑)
女の事を想い、ある決断をする-
この決断によって、二人は別れることに・・・
幸せの絶頂から、突然2年後・・・
という展開は驚いたなぁ~
あまりにも突然の演出だったから
2年間の空白は何?って
男は残りわずかな命で、彼女の幸せを見とどけに・・・
ここからが怒涛の展開に、なっていく。
女が男の死を知った後・・・
二人が再会して、言葉を交わすのでもなくただ、
泣いて立ちつくすシーン
これだけでも感動的で終わりかな・・・と
思ったら2度、3度といつ終わるのだろうとくどいぐらいの
シーンの切替によく、
もういいよ~なんて気持ちになることがあるけど、
この映画は2度、3度と
積み重ねっていくことによって
涙腺が完全に決壊へと追い込まれてしまった。
男が、女に対する愛情を父に語ったシーン
クソみたいな人生・・・
彼女の父親代わりになって欲しいと懇願するシーン。
三段オチに完全にノックアウトです。
ラジオから流れる言葉が好きなので
そのまま載せます
”時間が薬だという言葉があります”
”でも、誰かを愛した記憶は”
”時間が経つほど鮮明になります”
恋愛で、別れたとき時間が
解決してくれるなんて考えだったけど
個人的な恋愛映画のNo.1は本映画と
同じく韓国映画の「八月のクリスマス」ですが、
この映画は双璧をなすかもしれない。
パンフレットに書いてましたが、
「八月のクリスマス」と同じロケ地らしいです。
この作品に出会えた事が運命を感じます。
ファン・ジョンミンは「新しき世界」に続いて、
2本目なんですが人間味あふれる俳優ですね。