「みんなNARUTOすきよね」BORUTO NARUTO THE MOVIE torickさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなNARUTOすきよね
ネット上では驚くほど高評価ですが、どうでしょうか。
ナルトのおうちがタ◯ホームかなんかの建売っぽかったですが、世界観大丈夫でしょうか。
映画といえば新しいキャラクタと考えているのかもしれませんが、「下等生物が!」とカビが生えるくらいの使い古されたフレーズを吐く敵性宇宙人にどれだけの需要があるでしょうか。体術展開とわかったとき、サクラ・リー、できればヒナタの活躍を期待したのは私だけでしょうか。
全体を通して「楽して手間なく」という姿勢に対する批判みたいなものが構造的に埋め込まれていましたが、いったい何と戦っているのでしょうか。努力しなきゃだめだよね、という趣旨ならば、そこそこに恵まれた才能を持つボルトがスーパーボール程度の螺旋丸をひねり出せるようになっただけ(しかも飽きたらずチートをかました)でヒーローになれたことについて、ヒーローを夢見る子どもたちにどういう姿勢を示しているのでしょうか。
「これまでのナルトを見ろ」と言われたボルトは「サスケのようになりたい」と言ってましたが、ではこれまでのサスケを見てもらってもいいのでしょうか。ボルトの生き様が危うすぎて、極めて安い青春ドラマに見えます。
ミツキの親は大蛇丸ということをとっておきのネタにしていましたが、彼がいまさら子供を設けることに蓋然性はあるでしょうか。彼にもとの遺伝子を残せるような体はあるんでしたっけ?(うろおぼえ)てかこのネタ、だからなに?ってかんじですけど、なんか意味ありますか? これドヤ顔で企画している風景を想像すると痛すぎる。
というわけで予想通りのジャンプ映画でした。作画の手間だけは掛けたことがわかりますので、心理的障壁を弱い信者にはたまらない作品ではないでしょうか。私もNARUTOは大好きですが、死ぬまでに一度くらいは腐った漫画編集部の意向(というのは偏見かもしれませんが)をひっくり返した劇場版にお目にかかりたいものです。