「それぞれの愛国心と、苦悩」日本のいちばん長い日 マルコ・ヨドガワさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの愛国心と、苦悩
太平洋戦争の終戦をめぐる日本政府、大本営内のやり取りを描く。
日本内の厄介な組織、陸軍をまとめた阿南大将の苦悩がよく分かった。上司、部下から慕われていたことに加え、鈴木総理との信頼関係、陛下への忠誠を考慮すると、陸軍大臣は阿南大将しかおらず、陸軍を抑えられるのは阿南大将しかいなかったのだと思った。開戦時に阿南大将が大臣であれば、開戦は避けられただろうかとも思ってしまう。歴史の運命は皮肉だ。
畑中少佐率いるクーデター側の動きは一見馬鹿げているが、愛国心の一端から来るものであるというところは、現代にはないものであり、羨ましく思った。
以上の様なことを考えさせてくれる良い映画だった。松坂桃李、役所広司らの迫真の演技にも圧倒される。
ぜひ多くの方々に見ていただき、日本を守ろうとした先輩の方々の思い、苦悩を共有していただきたい。
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