「救いようのない大和魂」日本のいちばん長い日 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
救いようのない大和魂
ドラマとしての完成度が高い作品。歴史的事実を扱ってるが故に、内容が浅いとかという意見も目にしたものの、史実に重きを置く人はドキュメンタリーなり歴史書など追求すればよいのでは?この映画はあくまで劇的物語であるわけで、そういった意味であらゆる演出が上手くはまっていたように感じる。
主演陣の演技もすばらしいもので、まさにその時代のそこに生きていた人々の思いがひしひしと伝わってきた。何か儀礼的ただ中で振り回される人々、信じられないくらいに滑稽で、戦争をやめさせようとするもの続けようとするもの全てが悲劇的な喜劇を演じていたのだと理解できる。あの瞬間をつぶさに再構築して見せてもらうだけでも、あの戦争の無意味さを実感できた。
後半に展開されるシーンは全て無駄なことばかり。それに涙する日本人も多いことだろうが、無意味なことに重きを置く日本人のやるせなさを感じずにはいられなかった自分のような日本人も決して少なくないだろう。
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