「1.大胆に且つ美しく改変」屍者の帝国 みーやさんの映画レビュー(感想・評価)
1.大胆に且つ美しく改変
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個人的に伊藤計劃の本が好きで「Project itoh」の3作は読んでいるのでそこをふまえてのレビューとする。
伊藤計劃が序文を書き、伊藤計劃亡き後に盟友である円城塔が引き継いで執筆したのが本作『屍者の帝国』。
原作の内容がボリュームがあり、中身も濃いので多少の改変は仕方がないがそれにしても小奇麗になりすぎていた感が否めない。現代のハリウッド映画のように整ってはいるが個性がなく単調でメッセージ性に欠ける作りのよう。
具体的にはワトソンとフライデーを友人設定にすることで2人の関係性を軸にストーリーを構成していくことで関係図も一気にコンパクトになり、映画として綺麗にまとめられたのは良かった。
Mという悪役を立て、さらにザ・ワンを花嫁を復活させるために何でもするマジキチ設定にするのもワトソンが自分の罪を贖罪するために倒すという映画の流れとして良かったがその後のワトソンが自分自身を実験体にするというシーンの説得力が薄くなった印象がした。悪を倒した爽快感が漂うシーンから一転してワトソンが魂の在処を自ら確かめるというのはシーンの流れとして唐突すぎて置いてきぼりを食らってしまった。原作の屍者化やXの正体も分からなかったので自分で確かめるという流れだと納得がいくがここが惜しかった。
映像のクオリティに関していえば流石wit。作画は綺麗だし、進撃のCGで培った技術は屍者のCGで確実に役立っている。動きがクソキモイw
マングローブも潰れ、虐殺器官が公開日変更になり、出だしから荒れる「Project itoh」だが、今後も目が離せない。
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