「決して改悪などではない」屍者の帝国 うどんさんの映画レビュー(感想・評価)
決して改悪などではない
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屍者の帝国。素晴らしい出来だったと思う。
設定に変更があり、それを「改悪だ」という方もいるようだが、「フライデーを蘇らせる」という強い目的を置くことによって物語の筋がはっきりしていた。
原作の本筋は変わっていないながら、わかりやすく多少は優しくなっていたと思う。
「改悪」ではないが、決して「改善」ではない。
小説は文字ならではの表現があり、映像と音声では物足りないところもあった。さらに「2時間」という短い時間に収めなければならないため、展開が急だと感じることもあった。
しかし。それを補うだけの映像での表現のクオリティは凄まじかった。
原作を読みながら脳内で描いていた想像より遥かに壮大で、正直アニメ映画のクオリティか?と疑いたくなるくらいだった。
そしてなにより、キャスト陣である。
とにかく「フライデー」役の村瀬歩さんの叫びには鳥肌がたった。回想で出ていた生前のフライデーの落ち着いた雰囲気からは想像できないような叫び声。
また、エンドロール後の語りも非常によかった。他にも語りたいキャスト陣はいるが、長くなるので割愛する。
とにかく言いたいことはただ一つ。
みんな見てくれ!
原作ファンなら後悔はないと思うが、設定変更に不満がある方もいるだろう...
劇場版はわかりやすくなっているものの、「アニメ映画」としてみると少々難しいかもしれない。ただ、内容があまり理解できずとも面白さを感じた方がいるようなので、そういう方は是非、原作を購入していただきたい。
屍者の帝国がこの世に生まれ出てくれくれたこと。
伊藤計劃先生
円城塔先生
劇場版のスタッフとキャストの皆様
本当にありがとうございました。
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