不正義の果てのレビュー・感想・評価
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長い、予備知識無いと集中力持たない
2015/09/27、川崎市市民ミュージアムで鑑賞。
かなり長いです。予備知識がないと集中力をもたせるのが大変。
このドキュメンタリーはナチスが国外向けに作った模範的なゲットー、テレージエンシュタット強制収容所の長老ベンヤミン・ムルメルシュタインの証言です。
ゲットーの長老というのはゲットーのユダヤ人を代表してホロコーストの責任者アイヒマンとの交渉役をさせられていて、殺されるユダヤ人のリストを作ったり、些細な罪を犯した人に死刑の判断を下させられたりしていたそうです。
大抵の長老はそんな任務に耐えられず、拒絶して処刑されたり、自殺したりしていたそうです。
しかし、この長老、ムルメルシュタインは持ち前のキャラクターや交渉術を使ったのでしょう、時には非情な判断を下しながらも最大限、同胞のユダヤ人を殺さずに済む判断をしながら、自身も死なずに生き延びた人です。
当然、誰かを死なさなければならない判断を下すこともあり、ナチスのプロパガンダに協力した犯罪者だと断罪されたり、裁判にもかけられたようです。
この辺の予備知識がないと、長い分、集中して証言を聴き続けられないかも。できればDVDで何度か繰り返したり、いくつかのキーワードを調べたりしながら鑑賞したい。TSUTAYAさんレンタルしてくれないかな?
お腹の調子がいい時に
ムルメルシュタインへのインタビューが主に、収容所跡地やユダヤ人移住先の街(名前忘れました)、シナゴーグなど現在の映像が織り込まれています。
ムルメルシュタインの苦悩やあきらめというような、言葉にすると安っぽいですが、そういう心情のリアルが、個人的には見どころじゃないかと思います。リアリティを保ちつつ、こういう滲み出る心情を描くのは、本だと難しいんじゃないでしょうか。もちろん映画でも難しいんでしょうが、映画ならではの見せ方だと思いました。
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