「人生の脆さと孤独」オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の脆さと孤独
クリックして本文を読む
温和な家庭もあり、仕事も成功している真面目な男が、たった一度の過ちを正そうと、ある目的地へと向かうお話。
多分最初から高速道路に乗るつもりでしょうが、左折するつもりが急遽右折するシーンは、一つの選択により、積み上げてきたこれまでの実績が、土台のミスで崩れうる高層ビルに喩えられているようでした。
高速でも制限速度内の安全運転中、上司、仕事仲間、妻、息子、浮気相手と、ひたすら電話しまくる映画です。Hardyの演技がこんなに上手いと思いませんでした。主人公しかスクリーンには登場しないので、観客も主人公同様、電話越しの相手の声のトーンなどから、状況を想像することになります。憎い父親の亡霊?に対する独り言の暴言は、彼が何故この選択肢を選んだのかというヒントのようです。しかも風邪かアレルギー??疲労と栄養ドリンク?の影響で眠くて目もかすれるのか、ハイウェイの明かりやテールランプがぼんやりするのでヒヤッとします。
一人の女性の孤独に同情した彼自身の人生もまた孤独になってしまいそうです。仕事のトラブル処理のように、他人の感情まで思い通りに変えることは出来ません。
家庭に仕事にと、挟まれて息苦しい男性は共感するのかも知れません。
出発地と到着地は遠く離れて…人生は高速道路…でもTom Cochraneなどの"Life Is a Highway♫"という歌のような明るさは全くありませんでした。
コメントする