「『抜け落ちていく何か』」アリスのままで ピロリさんの映画レビュー(感想・評価)
『抜け落ちていく何か』
主演女優賞のジュリアン ムーアの演技はさすがで、それだけでもこの映画をみる価値があります。
個人的には家族の寄り添い方の変化がもう一つの見所ではないかと思います。わかりづらいのですが、そこに『抜け落ちていく何か』が描かれています。一見、献身的なのに冷たく暗くなっていく家族との人間関係や偽善者的な振る舞いやその表情の変化、そして全体を通して愛とは、人間としての尊厳とは何かについて静かに問い続けている姿勢に作品自体の質の高さを感じました。
いわゆる日韓映画で使い古された、お涙頂戴的な家族とのお別れストーリーを期待すると肩透かしを受けます。
僕は本当の意味で家族をちゃんと愛せているのだろうか。真っ直ぐ向かい合っているだろうか。自分に問い掛けてしまいました。
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